著作権

2009/2/26 木曜日

利用規約にご用心

先週発生した、「Facebook」の利用規約(TOS)を巡る大混乱をきっかけに、ユーザーがサイトやサービスを利用するときに放棄する権利に、珍しくスポットライトが当てられた。

Facebook(フェイスブック)は、新しいTOSでは、作品を削除するとフェイスブック側にライセンスを譲渡することを記した条項を削除している。判断を誤った結果、厄介な事態を招き、とても苦労したことだろう。彼らは、問題になった直後にTOSを撤回しただけでなく、新しいTOSでは、ユーザーのプライバシーのセッティングにより、フェイスブックの権利が制限されるようにしている。

しかし、ほとんど注目されていない点がある。それは、TOSの膨大な数だ。大半のウェブユーザーが、単にウェブの一部になることに対しても、TOSにサインしている。すべてのサイトが「サービス」と呼べる現代においては、私達は、かつてないほど多くのアカウントを作成し、その全てに登録する一方で、同時に権利を放棄している。

しかし、登録したサイトや同意した契約を確認している人、そして、時間を割き、同意することになる規約を読んでいる人は、ほとんどいないはずだ。オンライン活動に対する私達の権利は、細かく分断され、多数の企業やサイト上に散らばっている。

必要になったときに、これらの権利をつなぎ合わせることなど不可能に近い。それだけではない。これらの企業の多くが、TOSを介して、自分達が手にする権利を拡大し、増加させているのだ。

今こそ、次から次へと新しいサービスを求める私達の欲、そして、強制的に同意させ、複雑なプロセスを簡素化させる規約に対して、真剣に考えるべき時期に差し掛かっている。

利用規約が必要な理由

大半の「ウェブ2.0」サイトにとって、利用規約は必要悪である。サービスを提供するためには、基本的なルールを策定し、スパマーのようにサービスを悪用しようと試みるユーザーから自分達を守り、利用に関する許可をユーザーから得る必要があるからだ。

問題は、著作権やプライバシーに関連する法律がそうさせている点であり、許可なしでは、何をするにも、法律を違反することになるのだ。ユーザーの情報を表示するのも、アバターのサイズ調整を行うのも、動画をウェブでも再生可能なフォーマットに変更するのも、ユーザーの権利を侵害していると見なされてしまう。

YouTube(ユーチューブ)が動画をFLVフォーマットに変更するのは、あるいは、フェイスブックがプロフィールのイメージを表示するのは明らかだが、TOSにその権利が明記されていなければ、法廷では問題視されるだろう。良質なTOSは、クリックラップを通してユーザーに規約に同意してもらうことで、このような問題をうまく回避している。

問題なのは、これらのサイトが必要以上に権利を求めている点である。多数を一気に網羅する方が楽なことも理由の一つである(例えば、派生的な作品を作る権利を手に入れる方が、動画のコンバージョンなど、許容できる状況を、全てリストアップしていくよりも、遥かに簡単である)。また、ベースを確保するためであったり(必要ではないものの、関連する、または、いずれ必要になる権利を求めるため)、今後の計画を見据えている場合もある(将来の合併、売却等を考慮する)。

また、バックエンドが変われば、TOSの内容に大きな影響を与える。サイトが、例えばAmazon S3のようなクラウド保存ソリューションを利用するようになれば、ユーザーから権利を譲渡してもらい、TOSに許可を求める条項を記入する必要がある。

その結果、TOSは徐々に増えていくことになる。ユーザーが作った作品に対する権利を全て求めるほど貪欲な規約は見たことがないが(実際に法廷では認められないだろう)、ウェブベースのサービスが複雑化し、今日の法律の規定により、自分を守るために、企業が規約を拡大せざるを得ない状況に置かれている。そのため、各種のサイトは、より多くの権利を、より広い範囲で求めるようになってきている。

懸念するべき理由

利用規約を承諾したことがあるなら、この傾向を懸念する必要があるだろう。TOSを通じて自分の作品が悪用されたり、放棄した権利を再び取り戻す必要性に迫られる可能性はゼロに近いが、以下のように、心配するべき理由が存在するのだ:

  1. 大半のアクティブなウェブユーザーは、大量の規約を承認している。しかも、そのほとんどを読んでいない。
  2. ユーザーがサービスを通して特定のサイトに提供する作品の権利は、TOSによって異なる。
  3. アバター、バイオ、その他の情報などコンテンツの大半が、多くの異なるサイトに掲載されている。
  4. 大半のTOSは、サイトの管理者が、不定期にTOSを一方的に更新することを認める条項を加えている。しかし、これらの更新は大々的に告知されるわけではない。
  5. 通常、TOSを詳細にわたってチェックされるのは、フェイスブックのような大規模なサイトのみである。

私達は、ユーザーとして、新しいサービスに次々と飛びつき、TOSを読まずに承認している。この習慣は、多くの理由で、とても危険だと言わざるを得ない。登録し、自分のコンテンツを掲載するサイトの数が増えるにつれ、誤った方向に進んでしまう危険性も高まっているのだ。

予防策

ソーシャルネットワーキングサイトやコンテンツ共有サイトに対する私達の情熱が冷めることはなさそうだが、暴走するTOSから自分を守るための対策を講じておくべきだろう。

  1. セルフホスティング: TOSは、コンテンツがホスティングされている場合、または、別のサービスを通過する場合のみに適用される。大事なコンテンツは出来るだけ自分のサーバーでホスティングするように心掛けよう。共有ホスティングのアカウントは安価で入手することが出来るので、TOSのことをほとんど心配せずに、例えば、Flickr(フリッカー)やImageshack(イメージシャック)の有料アカウントを利用するよりも低い価格で、自分のイメージ用のホストを作成することが出来るだろう。
  2. 注意深く読む: 数分もあれば、TOSの大事な部分を読むことが出来る。コンテンツを掲載するつもりなら、絶対に読むべきである。
  3. 投稿する場所を制限する: 自分の作品を投稿する場所を制限しよう。例えば、自分のブログをホスティングすることが出来ないのなら、全てのブログを単一のプロバイダーで保有しよう。イメージ、ソーシャルネットワーキング等にも同じことが言える。

しかし、これらは、企業側が、簡単に対処することが出来る問題である。規約を難解化し、読まないように読者に働きかけるのではなく、もっと明確で見栄えの良い規約を作成するべきである。

例えば、Talkshoe(トークシュー)は、ユーザーに、権利に関する長くややこしいリストを読ませるのではなく、オーディオにCreative Commons(クリエイティブ・コモンズ)のライセンスを付与させている。こうすることで、ユーザーは簡単に理解することが出来るようになる。一目で、サービスを利用することで放棄する権利、または自分が保有する権利が分かるのだ。また、そうすることで、他の人達が作品に同じようにアクセスすることが出来るようになるため、トークシューが独占権などを主張することが出来ない仕組みになっている。

結論

非難を浴びた後、フェイスブックは以前のTOSに戻し、規約に関するフィードバックを得るため、新しいグループを作成している。彼らは、このような問題がユーザーにとって重要だということを認識し、現在、ユーザーの意見を取り入れる試みを行っており、今後、規約を変更する際には、ユーザーの意見を反映させていくだろう。

フェイスブックのこの取り組みは、この業界の良き見本となるポテンシャルを秘めている。

しかし、問題は解決されたわけではない。ウェブのユーザーが数えきれないぐらい多くのTOSを承諾しており、その多くが知らぬ間に定期的に更新されているため、ユーザーの作品に対する権利が散乱し、混乱を招いている。

これほど規約を簡素化する必要性が浮き彫りになったことはなく、規約を承諾し、読む責任をユーザー自身が背負う必要性においても、これほど重要視されたことはない。

今後、利用規約に、一貫性をもたせ、明確にする方法が考案されることを願おう。クリエイティブ・コモンズは役に立ちそうだ。しかし、同時に私達も、たとえマウスを1度クリックするだけであっても、自分達が承諾する規約には注意を払う必要があるだろう。

ライター紹介: ジョナサン・ベイリーは盗用、コンテンツ盗作、そしてウェブの著作権問題をテーマに取り上げ、Plagiarism Today(プレジャリズム・トゥデイ)でブログを書いている。ジョナサンはコンテンツ盗作問題に対応するウェブマスターが正確な情報を集め、この変化の激しい分野で取り残されないようにこのブログを2005年に始めた。それ以来、コンサルティングサービスをウェブマスターや企業に提供し、彼らが現実的なコンテンツ保護戦略を考案できるように、そして効果的な著作権ポリシーを策定できるように支援している。ジョナサンは弁護士ではなく、彼が提供している情報も法的なアドバイスとして捉えるべきではない。

[原文へ]

2009/2/20 金曜日

今年は「オリジナル・コンテンツ」の年

This blog has no brain - use your own - caution sign私は、毎年恒例の「ウェブから消えてほしいこと」の記事の作成にとりかかり、今年は「イヤー・オブ・オリジナル・コンテンツ」にすることに決めた。フィードのスクレイプ(盗用)やオートブログには、別れを告げよう。

お気に入りのコンテンツを引用し、リンクを張ることで発生するブロゴスフィアの反響室効果により、オリジナルのコンテンツが存在しないコンテンツがウェブ中を反響している。これは素人レベルの過ちである。気をつけよう。必ず自分の意見とコンテンツを加えよう。そして、読者に対して、ブログを去り、別のサイトを訪れ、また戻ってきてもらうことの重要性を説こう。

グーグルは、単一のサイトおよび複数のサイトにおけるコンテンツのダブりを罰し、オリジナルのコンテンツや唯一のコンテンツ、そして、リンクに対する適切で関連するキーワード(とりわけリンクリスト)に対してはボーナスポイントを加える措置を取っており、オリジナルのコンテンツを提供する人には、より高いページランクをつけている。その他のメジャーな検索エンジン、ディレクトリ、そして、正当なコンテンツ・アグリゲイターの間でも、同様の措置が講じられている。

真剣にブログに取り組んでいるなら、既に教訓を得て、オリジナルのコンテンツを作ることに神経を集中させているはずだ。他の人のコンテンツに適切にリンクを張り、彼らの著作権を守り、読者を混乱させないため注意を払っていることだろう。そして、他人のコンテンツの引用をブロックで囲み、リンクおよび出典先を明記しているはずだ。

詐欺師、スクレイパー、盗用者にとっては、他人のコンテンツは収益源である。彼らは、他人のコンテンツを収入を得るため、そして、誤った方向に導くために利用しているのだ。

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2009/2/18 水曜日

「FairShare」を利用するメリット

昨年11月、Attributor(アトリビューター)が行った調査は、多くのウェブマスターやコンテンツ・プロバイダーの関心を引いた。同社のレポートによると、大半のウェブサイトのコンテンツは、オリジナルのサイトやRSSフィードではなく、別のサイトで閲覧されていることが多いようだ。

今月上旬、アトリビューターが、新製品のパブリックベータ版の告知を行っていた。FairShare(フェアシェア)と呼ばれるこの無料のサービスは、ブロガーが、コンテンツの利用を追跡し、ライセンスの準拠状況をチェックし、自分のコンテンツを使っている人物、そして、どのように使われているのかを把握する支援を行う。

このサービスは完璧ではないが、コンテンツがウェブ上でどのように利用されているのか、そして、追跡されていない読者がどこに隠れているのかを垣間見ることが出来るため、ブロガーにとっては貴重な戦力になるだろう。

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2009/1/22 木曜日

「著作権保護」を約束する悪徳商法を回避するには

毎週のように、作品の保護を約束する、新しい製品やサービスが生まれている。それが、著作権の「登録」、盗作の検知、または、侵害の予防を手段として選んでいるにせよ、作品を守るために、料金を取ろうと試みる企業はとても多い。

しかし、その大半の製品は、宣伝文句で掲げた約束を守ってくれない。よくても、単なる時間の無駄であり、最悪の場合は、詐欺と言われてもおかしくないような劣悪なサービスもある。

それでは、騙そうとしているのは誰で、助けてくれるのは誰なのだろうか?以下に、著作権保護サービスの一般的な種類、そして、サインアップする前にチェックしてもらいたい点を挙げていこう。

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2009/1/14 水曜日

「Tweetback」の問題点を検証

昨日、Twitter(トゥウィッター/ツイッター)上の友人から、「トゥウィッター版のスクレイプツール(盗用ツール)」があるので、注意せよと言われた。私はリンクをクリックし、ソーシャルアグリゲーターの汚点、または、スパムブログの存在を突き止めようとした。しかし、実際に私が行きついたのは、ジュースト・デ・バルク氏が新たに開発した、Tweetback(トゥウィートバック)と呼ばれるプラグインであった。

このプラグインは、ダン・ザレラ氏が開発した同じ名前のプラグインと同様に、ブログのエントリにリンクバックするトゥウィート(呟き)を検索し、エントリ別に表示するためのプラグインであり、トゥウィッターを使ったトラックバックと考えてもらえると分かりやすい(だからこそ、トゥウィートバックと言う名がつけられている)。

これらのプラグインは、トゥウィートをコピー&ペーストし、明確な許可を得ることなく、ユーザーのウェブサイトに表示する。トラックバックに関しては、リンクを張るサイトに通知が送られ、コメントに関しては、ビジターによって意図的にサイトに残されるが、こられのプラグインは、たとえトゥウィートの作者がサイトに表示されることを望んでいてもいなくても、自ら積極的に「トゥウィートバック」を検索すると言う点で(URLの省略化サービスまで行っている)、トラックバックやコメントとは異なる。

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