自分の作品を自分が作成した証拠

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ジョン・エングル氏はニューメキシコ州で活躍するグラフィック・デザイナーである。同氏は、数多くのウェブサイト、そして、TV番組やTVネットワークを手掛けてきた。

しかし、先日立て続けに発生した出来事により、エングル氏に対する評判が著しく低下してしまった。本人が投稿したエントリによると、芸術作品のコレクションサイトが、同氏に対して著作権の侵害を主張しているのだ。彼らは$18,000の請求書を送りつけ、訴訟をちらつかせて脅し、さらに以前のクライアントに連絡を取り、エングル氏が調査の対象になっていること、そして、当該のクライアントに提供した作品が実は「コレクションサイトのクリエイターの作品であった可能性があること」を伝えた。

エングル氏は自分で作品を作成したものの、別の誰かが写真のコレクションサイトに許可なくアップロードしたことが問題であり、そして、このような行為は、当該のサイトの利用規約に違反していると指摘している。しかし、このサイトを運営する企業は、アップロードは正当だと考えており、著作権専門の弁護士を雇い、積極的に知的財産と見られる作品を保護している。

ただし、このケースでは、どちらの側が正しいのかは問題ではない。双方が自らの身の潔白を証明するため、作品が自分のものであることを証明しなければならない。残念ながら、「このような問題に対する計画を練ろうとは夢にも思わなかった」と、エングル氏も認めているように、この問題が簡単に解決することはないだろう。同氏は偶然にもLogoPond(ロゴポンド)にアップロードした日付、そして、ファイル内のメタデータなどの証拠を持っているが、イメージが盗まれた時期をまったく把握していないため、有効な証拠とは言えない。

エングル氏は、エントリのなかで、ライター、アーティスト、フォトグラファー、その他のクリエイターは、自分の作品が様々な経緯で争いの原因となる可能性があることを自覚し、事前にこのような状況に対する準備を整えておく必要があることを強調している。最終的な目標は、どんなことが作品に起きても、最初にその作品を作成した事実を示す証拠を持つことである。

米国著作権局

作品を登録する場所として、最初に考えられるのが、米国著作権局(USCO)である。米国の市民の場合、作品登録は、国内で著作権の侵害を訴えるための条件であり、法定損害賠償を要求するには、侵害の前に作品を登録している必要がある(または配信後3ヶ月以内)。

しかし、USCOにすべての作品を登録するのは現実的な対策とは呼べない。コストの面だけでなく(大抵の場合、$35が必要)、登録を行った日から確認される日までとても時間がかかるからだ。新しい電子システムを介しても、登録が完了するまでに数ヶ月間かかる可能性もある。しかし、幸いにも登録証明書には受け取った日時が掲載されるため、証明書が手元にあれば有効な証拠となるだろう。

それでも、エングル氏のケースにおいては、USCOに登録していたとしても、同氏を救うことができたとは思えない。所有権に関しては、一応の証拠とはなるものの、遅延および誰でも登録することが出来るという事実(二重の登録も珍しくない)を考慮すると、このケースにおいて、公の証拠として提示することは出来なかっただろう。

エングル氏が抱えている問題においては、否認防止サービスの、公式な著作権の登録としてではなく、USCOの欠点を補う応急処置としての役割を明らかにしている。

否認防止サービス

否認防止とは、基本的に、関係者がクレームを否認または否定することが出来ないことを意味する。今回のケースでは、USCOではなく、第三者を呼び、主張の正当性を確認する行為に当たる。

ウェブには、多数の否認防止サービスが存在する。大半のサービスは、 MyFreeCopyright(マイフリーコピーライト)やSafeCreative(セイフクリエティブ)のように無料で提供されているか、あるいは、Numly(ナムリー)のように数ドル/1ヶ月で提供されている。

要するに、作品を完成させたら、ウェブにアップロードする前に、このようなサービスにアップロードし、フィンガープリントおよび日付を刻印し、保存しておくことで、他の誰かが権利を主張しても、比較的公平な第三者に作品が作成された日時を保証してもらえることが出来るのだ。

オンラインの否認防止サービスは、所有の認定をすばやく実施し、USCOへの登録の代わりとまではいかなくとも、ある程度の証拠を提供することは可能だ。否認防止サービスの最も優れている点は、テキスト、イメージ、オーディオ、または、動画であれ、あらゆる作品に対して利用することが出来る点であり、また、このプロセスを簡素化、そして、スピードアップさせるためのWordPress(ワードプレス)のプラグインやRSSへの統合ツールまで用意されている点も心強い。

その他の解決策

エングル氏のケースが指摘しているように、否認防止サービスと同じような役割を担うものの、あくまでもサービスの一環としてサポートを行う企業が数多く存在する。例えば、Flickr(フリッカー)にイメージをアップロードする際や、YouTube(ユーチューブ)に動画をアップロードする際には、アップロードした日時を自動的に刻印してもらえるのだ。

この解決策の問題点は、大半のサービスにおいて、ユーザーがアップロードの日付を変更することが出来てしまう点である。アイテムが表示される順番を変えるためなど、正当な理由で行われる場合が多いが、そのために疑問視され、証拠としての信頼性にも欠けている。

日付としての価値を確保するなら、ユーザーが変更することが出来ないシステムを採用するしかない。要するに、自分のサーバー、コンピューター、そして、ワードプレスやその他のブログプラットフォームの日付も当てにはならないと言うことだ。

しかし、ユーザーが日付を操作することが出来ないサービスは、否認防止サービスとして効果があり、作品を立証するプロセスをかなり簡素化することが出来るはずだ。

結論

ウェブで自分の作品であることを証明するのは、なかなか難しい。公式のシステムが証明書を発行するまでに数週間、または、数ヶ月間要することもあり(少なくとも米国においては)、待っている間に所有権を証明するため、別の方法を探さなければならないことがある。

コンテンツはほんの数秒間でウェブ上を移動することが出来るため、悪者の手に渡る前に、自分の作品が自分のものだということを証明する方法を見つけておきたい。

幸いにも、エングル氏が手にしている証拠は、同氏の無実を証明してくれるだろう。もし同氏の作品が実際にロゴポンドのアカウントから盗まれたのだとしたら、サイトは日付を刻印し、さらに、大半のロゴがアップロードされた当時に投稿されたコメントを掲載しており、これが新たな証拠となるため、同氏は有利な立場に身を置くことが出来るだろう。

なるべくならエングル氏のようにな状況を迎えたくはないが、同氏のケースが指摘しているように、この問題は誰にでも起こり得るため、予め対策を練っておきたいところだ。

何も自分の守る手段を持っていない状態で不意打ちにあうよりも、事前に計画を策定しておくべきではないだろうか。

ライター紹介: ジョナサン・ベイリーは盗用、コンテンツ盗作、そしてウェブの著作権問題をテーマに取り上げ、Plagiarism Today(プレジャリズム・トゥデイ)でブログを書いている。ジョナサンはコンテンツ盗作問題に対応するウェブマスターが正確な情報を集め、この変化の激しい分野で取り残されないようにこのブログを2005年に始めた。それ以来、コンサルティングサービスをウェブマスターや企業に提供し、彼らが現実的なコンテンツ保護戦略を考案できるように、そして効果的な著作権ポリシーを策定できるように支援している。ジョナサンは弁護士ではなく、彼が提供している情報も法的なアドバイスとして捉えるべきではない。

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