Saturday, 4 July, 2009

ブログネットワークの幹部が集合

11月 17日 at 5:00 pm by トード ダニエル・ヘデングレン -

現在の金融危機は、メディア業界全体に暗い影を落としている。ウェブも例外ではない。その証拠に、閉鎖、報酬の削減、または、合理化を余儀なくされているブログネットワークが目立つ。その一方、既に確固たる地位を築いたブログネットワークは、このような戦略に関して、どのように考えているのだろうか?

そこで私は、ブログヘラルドで討論会を開催し、彼らの見解を訊き出すことにした。この討論会の開催にあたり、以下のブログネットワークの幹部を招待した。

それでは、さっそく始めよう。しっかりと彼らの意見に耳を傾けてもらいたい。

過去半年間、ブログネットワークの中には、閉鎖に追い込まれたり、経費の削減に迫られたりするネットワークもありましたが、その一方で、買収や新しいサイトを立ち上げるネットワークもありました。ブログネットワークは、ここ最近、ビジネスとして、どのような状態にあるのでしょうか?

ジェレミー・ライト氏 b5メディア:

三年前、ブログネットワークに対するアイデアは、今よりも遥かにシンプルでした。ブログを1サイト運営して利益がでるなら、100サイト運営すれば、大儲けすることが出来ると思われていたのです。今でもこのような考えを持っている人はいますが、ブログネットワークが直面している、ここ最近の困難を理解しているなら、1ヶ月で100ドルの収益を上げるブログを100サイト運営しても、1万ドルを稼ぎ出すことが出来るわけではないことは、分かってもらえるのではないでしょうか。現在のブログネットワークは、基本的には、メディア事業と同じ枠組みに属しています。今日のメディア事業は、生き残るために3つの基礎的な目標を掲げています。1, より多くの読者を獲得し、2, 読者の行動を活発化し、3, 収益源を増やすことです。

小規模のブログネットワーク(2,000ドル以下の収益と定義させてもらいます)は、とても困難な状況下に置かれていると言えるでしょう。とりわけ、AdSense(アドセンス)やテキストリンクなどに収益を頼っているネットワークは苦しいはずです。この類のブログネットワークは、収益、規模、そして、成長が不十分であるため、非常に深刻な状況を迎えているのです。

1人か2人で、3~10サイトのブログを運営している、小規模なブログネットワークにとって、最も困難な問題は、製品、イベント、有料サービス等を増やし、収益の流れを多様化することです。彼らが出来ることと言えば、現在持っている価値を最大限に活用することぐらいでしょう。

大規模なブログネットワークが努力していることは、コストを削減し、収益を上げ(または収益性を高め)、コアの強みに焦点を絞り、それ以外はアウトソースすることです。小さなネットワークなら、営業スタッフに買収先を探してもらうという手もありますが、なかなかうまくいかないようです。そのため、コストをカットし、営業パートナーと協力し、お互いの弱点を補う(これがターニングポイントになることがあります)戦略の方が効果が高いと考えられています。

基本的に、コストを低く抑えているネットワークは、健全な運営を続けることが出来るはずです。一方、コストも収益も並のネットワークは、かなり苦労するでしょう(そして、大半のネットワークは閉鎖するか、私達のような大規模なネットワークに売却するかの選択を迫られることになるでしょう)。最大クラスのネットワークは、もちろん、繁盛すればそれに越したことはありませんが、とりあえずは、この状況をいち早く抜け出すために、何を言われても生き残ることを最優先しなければならないでしょう。

コリス・タイード氏 エンバト:

私は、ブログネットワークにとっての成功とは、常に、多くのトラフィックを獲得し、そのトラフィックを安定した収益に変え、その流れを維持するために、必要以上に経費を計上していない状態を指すと考えています。サイトのトラフィックは減少していません。全体的に右肩上がりの状態をキープしています。そのため、ブログネットワークのビジネスモデルに問題があるとするのならば、それは、収益と支出に関するものでしょう。
景気が後退すると、支出の面で最初に下落するのは、広告に対する支出だと私は考えています。私達は、広告収益の推移を注意深く観察してきました。現在までに、収益は少し下がっていますが、そこそこ安定しており、その他の収益源にも同じような傾向が見られます。しかし、長い間、着実に成長を続けてきているため、現状を維持しているとはいえ、安心することは出来ません。

不景気であっても、気づかないふりをするよりは、受け入れた方がいいのです。サイトを閉鎖しているネットワークや、経費を削減しているネットワークは、最悪の事態に備えているのではないかと考えています。私達のネットワークも、行き詰った場合に備えた大きな経費削減計画を作成しました。幸いにも、この計画を実行に移さなければいけなくなったのは、ほんの一部だけでした。いずれにせよ、緊急の状態に備えたシナリオを常に用意しておくべきでしょう。

また、うまくいかなくなった時は、買収のチャンスがあることも覚えておいてもらいたいです。もし、コストを削減して、支出を抑えているなら、いずれ、新たな買収取引を低い価格で結ぶことが出来るかもしれません。つまり不景気がプラスに働くのです。

マイク・ランドル氏 9ルールズ:

良質なコンテンツを配信するサイトは、ブログであろうがなかろうが、そして、ブログネットワークに属していようがいまいが、今後も、ウェブビジネスの世界で確固たる地位を築くことが出来るでしょう。盛況なブログネットワークは、何よりも個別のサイトの質にこだわっているのではないでしょうか。ネットワーク全体の質よりも、個々のサイトの質を重視しているような気さえします。一度に一つのサイトに焦点を当て、そのサイトが、確実に、興味深いテーマに関する素晴らしいコンテンツを用意し、そして、配信するように心掛けているのです。これが、支持されるウェブサイトを構築する第一歩なのです。ブログネットワークのなかには、誤って質よりも量を優先させてしまい、一つもサイトを成功させることなく、次々にサイトを作っているネットワークもあります。Gawker(ゴーカー)は、スタッフの人数は少ないものの、1つ、あるいは、2つのサイトに力を入れ、新しいサイトを作る前に、まずはそのサイトを確実に安定させることが出来ているため、成長しているのです。恐らく、ブログネットワークの世界で生き残るには、このような戦略を取る必要があるのではないかと、私は考えています。

現在の金融の状況(危機)により、ブログ全体、そして、ブログネットワークは、どの程度苦労すると思いますか?

ジェレミー・ライト氏:

アフィリエイトの支持率が上がる一方、普通のブロガーの広告ユニットは、ブログネットワーク以上に減少し、その後、ペイ・パー・ポストのような類の戦略に移行するようになるでしょう。そして、最終的には、「ブログが好き」だという初心に帰り、ブログのみに力を注ぐようになってもらいたいです。最悪でも、お金儲けのためではなく、ブログを愛するために、ブログに取り組んでもらいたいのです。「好き」という気持ちで行動を起こすことで、ソーシャルメディアが本当の意味で「ソーシャル」になるのです。これは、私達ブロガーにとっては、プラスに働くでしょう。

コリス・タイード氏:

難しい質問ですね。アドバイスを送る経験は、残念ながら、私にはほとんどありません。そんな私でも、広告への支出が抑えられることぐらいは分かります。しかし、それはオフラインの広告主に対しても当てはまることであり、彼らは比較的料金が安価なオンライン市場に目を向けるようになると私は思います。そして、そのメリットを受けるのが、ブロガーなのではないでしょうか。不景気になると、広告に費やす経費が削られるため、アフィリエイト・プログラムのコンバージョン率は低下するでしょう。しかし、その一方で、広告の数が減少することで、実は、アフィリエイト・プログラムの効果は逆にアップする可能性があるのです。

また、為替にも注意してもらいたいですね。私の会社はオーストラリアをベースに営業しています。現在、オーストラリア・ドルの価値が大幅に下がっているため、USD-AUDの為替は記録的に下落しています。そのため、収益は大幅に増加します。変換率が相乗効果を生むためです。ただし、コストの大半は海外で消費されるため、あまり効果を実感出来ません。しかし、米ドルの価値が自国の貨幣よりも高い国に住んでいる個人のブロガーは、当地の貨幣で広告/収益を得ている場合、大きなメリットを得ることが出来るでしょう。広告への支出が減っても、広告1つ当たりの効果的な収益が上がれば、損害を緩和することが出来るはずです。

マイク・ランドル氏:

ソーシャルメディア・サイトやブログの広告は、大きな企業が利用するようになって初めて、一般化しました。しかし、勢いが鈍ると、このような企業は、その他の投資と同じように、ROIのみを気にするようになりました。そのため、重要な層のオーディエンスを多く抱えている、ウェブサイト、ブログ、そして、ブログネットワークは、CPM率を高く設定することが出来るため、今後も収益を見込めるでしょう。もし、自分のサイト、あるいは、サイトのグループが、100万ページビュー/1ヶ月を越えているなら、不景気によって広告収入が圧迫されるものの、完全に枯渇することはないでしょう。このポイントに達していないブログやブログネットワーク(つまり大半のブログ&ブログネットワーク)は、引き続き、広告主を獲得することに苦労するはずです。広告に対する予算は削られ、出来るだけ確率の高い手段が選ばれるため、小規模な20サイトのブログに予算を拡散させるよりも、大規模で有名なサイトに流れる可能性があるためです。

現状において、ブログネットワークの理想的な構成を教えてください。ブログの数は少ない方がいいのでしょうか?それとも多い方がいいのでしょうか?ニッチに特化している方がいいのでしょうか?それとも、広範な方がいいのでしょうか?要するに、ゼロから始めるとしたら、皆さんは、どのようにブログネットワークを作り上げますか(ただし、説明抜きで、“前と同じ”なんて言うのは勘弁してください!)…?

ジェレミー・ライト氏:

前と同じですね ;-)

真面目に答えましょう。私はブログには3つのモデルが存在すると信じています(私自身この3つのモデルを実践してきました: 1) 大きなブログを少数運営する。方向性は同一ではなくても構わないが、オーディエンスのタイプは統一する必要がある(例:ゴーカー・モデル)、2) 方向性を統一した中規模のブログを少な過ぎず、また、多過ぎない程度運営する(例:シュガー・モデル)、3) 複数の方向性の中規模のブログを、単一(または2つ)のブランドで統一し、少な過ぎず、また、多過ぎない程度運営する。(例:b5メディア・タイプ)

すべてのモデルが有効です。そして、これらのモデルには、オーディエンス、コンテンツ、ブランディングのいずれかで、複数のブログを結びつけるという、“共通点”があります。そのため、もう一度最初からやり直さなければならないなら、まずは単一の方向性でブランドを明確にしたポータルを立ち上げ、同じ方向性でブログを幾つか開設し、「女性向け」、「男性向け」、「母親」等のコンテンツを作れるほど深みが増すまでは、同一のオーディエンスのタイプに“働きかけて”いくでしょう。最終的に、そのポイントに達するために、ブランドを練り直すことになるでしょう。:)

コリス・タイード氏:

私の戦略は、特定のジャンルに絞込み、垂直的に拡大し、単一のニッチ内の分野を網羅する傾向があります。サイト同士を交流させ、成長させることが出来るからです。私なら、現在の金融の危機的な状況を考慮し、徐々にネットワークを拡大させていくように奨めるでしょう。1度に1つずつ強固なサイトを作り、コストを抑えつつ、拡大し過ぎないように心掛けるのです。しばらくは大きなリスクを背負うべきではないでしょう。因みに私自身はリスクを避けるタイプではないため、矛盾してしまうかもしれません :-)

マイク・ランドル氏:

個性的な「味」を持っているブログに、最大限の努力を費やすことが出来るか否かが、重要なポイントになるでしょう。少しでも収益を増やすために5サイトを運営するのではなく、特定のトピックに対して、創造力を活性化させ、情熱を注ぎ込むことが肝要です。これ以上ない興味深い発見をしたかのような気持ちで、定期的にエントリを投稿する努力が必要です。その良い例が、Anticlown Media(アンチクラウン・メディア)です。彼らは、有数のセレブ・ブログの1つに数えられるThe Superficial(ザ・スーパーフィシャル)を運営している企業です。彼らは、ブログを3つ運営していますが、すべて質が高く、典型的なブログネットワークとは一線を画しています。彼らは、ネットワークの一部としてブログを立ち上げてきたわけではなく、それぞれが独立しているのです。この戦略が正解なのではないでしょうか— 自立することが出来る良質なブログを作り、少ないサイト数を維持し、取り組みを集中させるのです。もし、運営しているブログの名前をすぐに挙げることが出来ないなら、それは、数が多すぎる証拠であり、焦点を絞ることなど不可能でしょう。

最後に、このディスカッションに参加してもらったb5メディアのジェレミー・ライト氏、エンバトのコリス・タイード氏、そして、9ルールズのマイク・ランドル氏に、感謝の意を伝えたい。

今度は皆さんの番だ。ブログネットワークに関する考え、そして、今後の展開をコメント欄で発表しよう。

ライター紹介: トード・ダニエル・ヘデングレンはデザイナー、ライター、そして、ブログヘラルドのエディターとして活躍している。スウェーデンのゲーム業界の最前線でその手腕を振るっていたが、すべてを手放し、国際的な舞台へ旅立った。彼はインタビュー形式のブログ、BloggerTalks(ブロガートークス)を立ち上げ、デザイナーとして素晴らしい仕事をこなしている。

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