Thursday, 8 January, 2009

ウェブホストの余計な介入を避けるには

10月 30日 at 5:00 pm by ジョナサン ベイリー -

ジェフ・ローゼンストック氏は、楽曲をサイトで無料配信しているインディーズレーベル、Quote Unquote Records(クオート・アンクオート・レコード)を運営している。

しかし、今月初め、同氏は、サイトがダウンしたため、大きな痛手を被った。理由に心当たりはなかったようだ。ホスティング会社によると、同氏が著作権を違反していると感じたため、このような行為に踏み切ったようだ。しかし、実際には、サイト上のすべての楽曲を配信する権利は、ローゼンストック氏が持っている。むしろ、楽曲のほとんどは自身の作品であり、今までクレームをつけられたことは一度もなかった。

これは、不要且つ見切り発信的な行動である。しかし、今回の件により、ブロガー、ミュージシャン、そして、映画監督のなかには、「自分のISPが、同様にサイトを閉鎖してしまうのではないだろうか。そうなったら、何をすればいいのだろうか?」と悩み、不安を抱いている人もいることだろう。

幸いにも、ローゼンストック氏のようなケースは、比較的珍しく、誰かが同じ目に遭う可能性は極めて低い。しかし、ローゼンストック氏が、サイトが復帰するまで、数日間も我慢しなければならなかった事実が公表され、多くの人が、このような災難が自分の身にも降りかかってくるのではないかと考え、怯えているのだ。

Quote Unquote Recordsの件

ローゼンストック氏によると、今月10日あたりに、「著作権で保護された楽曲ファイルがサーバーに存在する」と言う通知をISPから受けたようだ。同氏が具体的な曲名を尋ねると、ローゼンストック自身が作り、レコーディングした楽曲が数曲挙げられたため、自身のファイルであることを説明した。

ローゼンストック氏は、サーバーに保存していた311の複数の楽曲を削除し、これで問題は解決しと理解した。

しかし、数日後、同氏のサイトは、全ての楽曲のファイルを含め、利用出来ない状態になっていた。さらに不運なことに、ハードドライブが故障し、同氏は、バックアップのファイルを失ってしまった。そのため、ファイルを取り戻すには、ホストに頼るしかなかったが、彼らはサイトを復帰する前に、作品の所有権を証明するよう求めてきたのだ。

彼らが要請した証拠とは、米国著作権局の登録フォームであった。しかし、ローゼンストック氏は、楽曲を登録していなかったため、証拠を用意することが出来なかった。同氏は、Poor Man’s Copyright(プア・マンズ・コピーライト:郵便物等の日付記録を利用し、知的財産の所有を証明する方法)を利用していたが、この方法は所有を証明する手段としては役に立たないため、自分が制作しレコーディングした事実をISPに証明する手立てがなかったのだ。

最終的には、説得に成功し、サイトを復帰させることが出来たが、ダウンタイムは数日間に渡って続き、恥ずかしい思いをする羽目になった。注目を浴びたことで、長い目で見れば、プラスに働く可能性はあるが、レーベルにとってはフラストレーションがたまる問題であり、注目されたとはいえ、出来れば夢であって欲しかったと思っているだろう。

このような注目を喜べないアーティストにとっては、厄介な問題である。

朗報

しかし、幸いにも、大半のウェブマスターは、このような問題を抱えることにはならないだろう。大抵のウェブホストは、通知→削除と言う手順を踏んでおり、著作権の保有者には、コンテンツが削除される前に、主張する機会が与えられる。要するに、自分だけが投稿する権利を持つエントリを投稿すれば、著作権違反が理由でサイトを閉鎖される可能性は、ゼロに近いのだ。

権利を侵害していないユーザーがシャットダウンに追い込まれる場合は、大抵、第三者が誤った通知を行っていることが多く、その場合、訴訟問題に発展することもある。このようなケースも比較的稀であり、とりわけ、リスクの高いコンテンツを配信しているわけではないブロガーが、そこまで心配する必要はないだろう。それでも、ローゼンストック氏が経験したような問題が発生する確率よりは、高いだろう。

いずれにせよ、もし、MP3を筆頭に、大量のマルチメディア・コンテンツを配信しているなら、ウェブホストの調査を受ける可能性はある。このような調査により、サイトが閉鎖に追い込まれることはなく、通常はコンテンツのクリエイターが、自分でファイルを作成したと言えば、それで済む話だが、ホストから、このような調査や干渉を受けたくない願う人もいるはずだ。

そのため、幾つかアドバイスを送る:

  1. “無制限”のホスティングは避ける: 無制限のホストは基本的に奨められない。大量のメディアファイルを掲載しているなら、厳しく監視されるはずだ。違法サイトの間でこのようなホストの人気は高いため、彼らは非常に用心しているからだ。さらに、無制限のホスティングを約束している企業の中には、容量を制限することが出来ないため、大量のリソースを利用するサイトを閉鎖するための理由を探している企業もある。
  2. 定評のあるメディアホストを利用する Libsyn(リブシン)Blip.tv(ブリップドットtv)のようなメディアホスト・サービスは、メディアをホスティングする経験が豊富であり、過剰な権利侵害者と正当なユーザーを見分ける「目」を持っている。誰かに削除通知を送付されてしまえば、万事休すの状態に陥るが、サイトが閉鎖されてしまうような事態は避けることが出来るだろう。しかし、メディアのリンクは無効にされてしまう可能性は否めない。
  3. よく考えてファイル名を選択する: YouTube(ユーチューブ)を含め、コンテンツをチェックすることで著作権を侵害している可能性が高いマテリアルを検知することが出来る、洗練されたフィンガープリント技術を採用しているサイトもあるが、大半のウェブ・ホストは、このような技術を持ち合わせていない。大抵のサービスは、ファイル名をチェックし、その名前を基に判断を下すことになる。そのため、ファイルが、侵害している作品ではなく、オリジナルのファイルであることを示唆する、明確なファイル名をつけるようにしよう。

残念ながら、このような問題を100%回避することが出来る方法は存在しないが、上述の手順を踏むことで、ウェブホストから余計な干渉を受ける確率を格段に減らすことが出来るはずだ。

結論

大半のブロガーは、過度に積極敵なウェブホストと敵対するような状況に追い込まれることはないだろう。ウェブ全体としては、当事者を刺激することなく、オリジナルの作品を著作権違反として削除することを望むホスティング・サービスよりも、明らかに侵害している作品であっても削除したくないホスティング・サービスの方が圧倒的に多く、こちらの方が問題視されている。

要するに、法的な根拠があれば別だが、正当なクライアントのサイトをシャットダウンしてしまうウェブホストは、非常に稀である。このような行為は、劣悪であり、愚かでもある。

しかし、ウェブホストとの関係は、あくまでもパートナーであり、双方にとって良好な関係を維持するには、協力することが肝要である。大量のMP3ファイルをホスティングするつもりで、上述のような問題に見舞われてしまうのではないかと心配しているなら、連絡を取り、彼らにしっかりと状況を説明しよう。それでも邪魔されてしまうのなら、別の場所にファイルを移そう。

ウェブ上では、多数のホスティング・サービスがしのぎを削る削っており、彼らの多くが温かく迎えてくれるだろう。

ライター紹介: ジョナサン・ベイリーは盗用、コンテンツ盗作、そしてウェブの著作権問題をテーマに取り上げ、Plagiarism Today(プレジャリズム・トゥデイ)でブログを書いている。ジョナサンはコンテンツ盗作問題に対応するウェブマスターが正確な情報を集め、この変化の激しい分野で取り残されないようにこのブログを2005年に始めた。それ以来、コンサルティングサービスをウェブマスターや企業に提供し、彼らが現実的なコンテンツ保護戦略を考案できるように、そして効果的な著作権ポリシーを策定できるように支援している。ジョナサンは弁護士ではなく、彼が提供している情報も法的なアドバイスとして捉えるべきではない。

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