Tuesday, 6 January, 2009

コメント欄のトラブルを回避する方法

10月 15日 at 3:00 pm by ジョナサン ベイリー -

エントリよりも、コメントの方がコンテンツを占める割合が大きいブログは少なくない。1本のエントリに対するワード数が数百程度で、コメント欄のワード数が数千に達するブログは、決して珍しくないのだ。

ブロガーにとっては、決して悪い話ではない。コメントには、コミュニティを育てるだけでなく、サイトに価値を与え、常連の読者の背中を押し、さらに、検索エンジンが喜ぶコンテンツを形成し、ブログを成長させる役割も担っているからだ。

しかし、コメントに対して自分が持つ権利について心配するブロガーが増えつつある。スパマーにコメントフィードをスクレイプされてしまったら?コメンターが考えを変え、コメントを削除するよう頼んできたら?別のサイトや別のサービスに移動したくなったら?このように、ブロガーの悩みは尽きない。

残念ながら、これらの質問に対する答えは、すべて複雑である。しかし、コメントに関する問題が増えつつあることを考えると、ブロガー達は、これらの問題を無視することは出来ないだろう。

コメントに対するブロガーの権利

著作権自体は、とても明快な権利である。作品が有形の媒体に掲載された時点で、その作品の著作権は、その作品の作者に著作権が与えられる。その結果、他人の作品が自分のサイトに投稿されると、たとえ自分のサーバーを経由していても、その作品の作者が著作権を保有することになるのだ。

だからと言って、ブロガーにはコメントに対する権利が全くないというわけではない。明確ではなくても、コメンターがサイトにコメントを投稿する行為自体、そのコメントを表示する権利、そして、意図する方法で利用する権利を暗黙のうちにブロガーに与えることになるのだ。そのため、コメンターが自分のコメントを公開したとして、ブロガーを訴えても、まず勝ち目はない。当然ながら、そんなことを試す人がいるとも思えない。

しかし、あくまでもコメンターが著作権を保有しているため、ブロガーの権限は、幾つかの点で大きく制限されてしまう。まず、コメンターは、自分のサイトを含め、別の場所に自由に投稿することが出来る。また、彼らは自分達の作品に対する利用方法に対して、反対意見を言う権利を持っている。つまり、ブロガーは、別のサイトのコメントを削除する要請が出来ないのだ。また、コメントの権利を侵害したとして、警告状を送りつけることも出来ない。一方、コメンターには、コメントの削除を要請する権利が与えられている。

要するに、ブロガーは、コメント欄のコンテンツの保護に関しては、別のブログに投稿したコンテンツに対する権利と同等程度の権利しか持っていないのだ。ブロガーに出来ることと言えば、コメントが悪用されていることをコメンターに伝え、彼らが行動を取れるように支援するだけである。

既知のスクレイパーをブロックする行為など、サーバーに対しては、多少踏み込むことが出来るが、コメンターの許可を取ることなく、作品の著作権を主張することは出来ない。

問題の回避

同様に、フォーラムの管理に対しても、ブロガーは微妙なポジションに置かれている。彼らのサイトは他人が投稿したコテンツに依存しているものの、それらのコンテンツをコントロールすることは出来ない。

さらに、暗黙のラインセンスにより、ある程度の権利がブロガー側に与えられるが、これらの権利は、ハッキリと規定されているわけではなく、曖昧である。また、テンプレートの変更、コメントの編集、または、かつて広告のなかったサイトに広告を追加する行為など、ごく一般的なイベントが、ライセンスの一部、あるいは全てを無効にしてしまう危険もある。

これらの問題を回避するためには、暗黙のライセンスに頼るのではなく、コメントを投稿するための条件として、利用規約に同意してもらうべきである。弁護士に規約を作成してもらうことが出来るのなら、それに越したことはないが、それが現実的ではないなら(または、そこまでする必要はないと思うなら)、単純にCreative Commons(クリエイティブ・コモンズ:CC)等のライセンスを付与して、コメントを投稿してもらう手もある。

例えば、Digg(ディグ)は、ディグのユーザーによって投稿された全てのコメントは、パブリック・ドメインの対象になると規定している。一方、Wikipedia(ウィキペディア)は、投稿された全てのアイテムが、GNU Free Documentation License(GNU フリー・ドキュメンテーション・ライセンス)の対象になるシステムを採用している。

この単純なステップを踏むことで、コメントに対する、ブロガー自身の権利、そして、他人の権利を明確化することが出来るようになる。例えば、コメンターが商業利用を認めるCCライセンスの下にコメントを投稿している場合、将来、広告を掲載しても何ら問題にはならない。

しかし、あくまでも妥当な規約を策定する必要があることを覚えてもらいたい。例えば、しっかりしているコメンターなら、自分の著作権をブロガーに移譲するような規約には承認しないはずだ。仮に承認しても、そのような契約を実行に移すことは出来ないだろう。つまり、適切なライセンスであっても、コメントが利用される場所を制限することも出来なければ、コメンターの許可なく、DMCA通知状を送付することも出来ないのだ。その一方、コメンターは自由に行動することが出来る。

とはいえ、自分が作成したアイテムに関する著作権は主張することが出来る。そのため、自分のコミュニティに参加する際には、自分がコントロールする作品の権利を主張することで、大規模なコメントのコピーを禁止することが出来るのだ(確実に、そうするべきである)。

つまり、コメントに適切なライセンスを付与し、サイト上のディスカッションに関わることが、コメントの濫用を防ぎ、コメントに対する不要な問題を回避するための、最も効果的な戦略と言えるだろう。

一般的な問題

次に、上述の情報を心に留めつつ、コメントに関してブロガーが直面する可能性がある一般的な問題とその対処方法を紹介する。

もし、コメンター、特に有力なコメンターが、これ以上サイトにコメントを表示して欲しくないと言いだし、削除してもらいたいと頼まれたら?

この問題は、フォーラムでよく発生する。しかし、ブログは複雑化しつつあるため、ブログでもこの問題が発生し始めている。

このような状況下では、要請に応じて、コメントを削除するべきである。適切なライセンシングを行っていても、法的な責任を強要するべきではなく、余計な問題は回避する方が望ましい。このような問題はコミュニティの邪魔になるだけでなく、コメンターからDMCA通知状が送りつけられると言う事態に発展する可能性もある。そうする権利があると彼らは信じているためだ。

明確なライセンスの規約を策定するのは、コメントを削除しなくても済むようにするためではなく、トラブルを回避するためである。ユーザーが規約を理解した上でコメントを投稿しているなら、彼らは削除を求めたりはしないだろう。もし、求められても、敵対的な態度を取ったりはしないはずだ。

コメント・フィードがスクレイプされたり、大量にコメントをコピーされ、再び投稿されたら?

残念ながら、このような状況に対する、有効な対策は見当たらない。コメンターに協力を仰ぎ、彼らの代表を務めることを認可してもらえば、DMCAの通知状を送ったり、何かしらの対応を講じることが出来るだろう。そうでなければ、自分が作成したコメントに対する行動しか起こせないため、効果は半減してしまう。

著作権は、作品の作者、または、作者の雇用者(特定の場合のみ)に与えられている。付与したライセンス規約を除けば、作品の著作権に対する影響は皆無であり、許可なく作者の代わりを務めることは出来ないのだ。

そのため、既に説明したように、自分のコメントに対する権利を主張する以外、効果的な対応策は存在しない。

コメントを編集したくなったら?

編集は危険である。その理由を説明しよう。まず、コメントを編集してしまうと、オリジナルの作品から派生的な作品を作ったと思われ、著作権が侵害されたと言われてしまう可能性がある。このような行為は、コメントを投稿する際の暗黙のライセンスには含まれていない。次に、コメントの意味を変更してしまうと、名誉毀損で訴えられる可能性も出てくる。

些細な誤りを直すための変更や、下品な言葉を削除するための変更等が原因で、大きな問題が発生する確率は低いが、大幅に変えてしまうのは危険である。もし、投稿されたコメントが、自分のコメントポリシーを明らかに違反しているなら、編集するのではなく、削除して、もう一度投稿してもらえるように頼むべきである。

広告の掲載を始めたり、コメントが表示される形式を変えるなど、サイトを大幅に変えたくなったら?

大抵の場合、暗黙のライセンスには、サイトに対する予測可能な変更点も含まれている。この中には、テーマ(テンプレート)の変更や広告の掲載も網羅されている可能性がある。しかし、暗黙のライセンスではなく、実際のライセンスを策定する方が好まれる。

また、急に変更してしまう行為も、コメントの削除を要請したくなる要因の1つとされている。

結論

コメンターと争うような事態は非常に稀ではある。しかし、以前と比べ、ブログのコミュニティは、大きくなり、複雑化しているため、問題が発生する可能性も高くなっていることも事実である。また、稀であるが故、感情的になってしまいがちな問題を引き起こしてしまうことが多い。

適切なライセンスを付与し、このような問題を回避するよう心がけることが何よりも肝要である。そして、自ら積極的にコミュニティに参加し、会話を後押しするだけでなく、コメントに興味を持つことで、コメントを保護する必要があるのだ。

コメントがブログに与える価値、そして、会話を活性化するためにブロガーがつぎ込む時間を考慮すると、ビジターに対して公正に振舞いつつも、その利益を守るために力を入れるのは当然の行為である。

適切に取り扱うことが出来れば、コメントは、ブロガーにも、そして、コメンターにもプラスに働き、そして、会話を導いてくれるだろう。

ライター紹介: ジョナサン・ベイリーは盗用、コンテンツ盗作、そしてウェブの著作権問題をテーマに取り上げ、Plagiarism Today(プレジャリズム・トゥデイ)でブログを書いている。ジョナサンはコンテンツ盗作問題に対応するウェブマスターが正確な情報を集め、この変化の激しい分野で取り残されないようにこのブログを2005年に始めた。それ以来、コンサルティングサービスをウェブマスターや企業に提供し、彼らが現実的なコンテンツ保護戦略を考案できるように、そして効果的な著作権ポリシーを策定できるように支援している。ジョナサンは弁護士ではなく、彼が提供している情報も法的なアドバイスとして捉えるべきではない。

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