Tuesday, 6 January, 2009

ブログの商標を守る方法

9月 24日 at 6:00 pm by ジョナサン ベイリー -

パトリシア・ハウザー氏が、Palintology(ペイリントロジー)というドメインネームを2007年に取得した際、ブログの主題であったサラ・ペイリン氏は、当時アラスカ州の知事を務めており、全国的にはほとんど無名であった。ペイリン氏のスタッフとして、知事選挙の選挙運動を行っていたハウザー氏は、ブログを開設し、同氏の名前をドメインに利用する許可を得ていた。

しかし、8月下旬にジョン・マケイン氏がペイリン氏を副大統領候補に任命したため、ペイリン氏とペイリントロジー・ブログにスポットライトが当てられることになった。サイトもペイリン副大統領候補も世界的に注目を集める存在となった。しかし、なかには歓迎できないものもあったのだ。

そのなかでも最悪の出来事は、Newsweek(ニュースウィーク)誌が、雑誌の表紙にペイリントロジーと言う名称を掲載したことだ。この結果、ハウザー氏は、急いで商標を米国特許商標局(USPTO)に登録し、ニュースウィークに連絡を取り、同社が商標権を侵害している可能性があることを伝えた。

ハウザー氏側とニュースウィークの間では、円満に解決する方向で話し合いが進められているものの、この件によって、ブロガーは、自分のブログの名称やロゴに関して、何をするべきかという問題が浮上した。地域的なブログでしかなかったペイリントロジーが、ニュースウィークの表紙にその名前が掲載されることになったのだ。大半のサイトが、同じような運命を辿る可能性を秘めていると言えるだろう。

商標の基本

USPTOによると、商標とは、“ある団体の製品(またはサービス)を特定し、他団体の製品(サービス)と区別する言葉、フレーズ、シンボル、デザイン、あるいは、言葉、フレーズ、シンボル、デザインの組み合わせ”を指す。

商標を形成する方法は2通りある。1つ目の方法は、単純に市場で利用することで形成する方法であり、最も一般的である。自分、自分の製品、あるいは自分のサービスを特定する用語、ロゴ、あるいはフレーズを市場で利用することで、そのシンボルの所有権を得ることが出来る。

2つ目の方法は、USPTOに公式に登録する方法である。このプロセスはコストが高くつき、また、時間もかかる。

知的財産の一部ではあるが、商標は、幾つかの面で著作権とは異なる。

  1. フレーズの保護: 商標法は、フレーズやシンボルなど、著作権保護の対象とは認められない小さな作品も保護する。
  2. 限定された範囲: 作品をコピーする行為を制限する著作権とは異なり、商標の範囲は限定されており、市場の混乱を防ぐことに焦点を絞っている。
  3. 州法: 著作権に関しては、“州の著作権”という観念が存在しない。つまり、権利の侵害に対して訴訟を起こす際は、米国著作権局に登録し、連邦裁判所で訴える必要がある。一方、商標に関しては、連邦法令に加えて、州がそれぞれ商標法を規定しているため、権利の侵害に対して、公式な登録をしなくても、訴訟を起こすことが出来る。

恐らく、大抵のブロガーは、ブログの名称、ロゴ、ドメインに対して、何らかの商標保護対策を行っているだろう。なぜなら、ブロガーは、これらの名称を、自分あるいは自分のサービス、つまりエントリを市場で売り込むために利用しているからだ。この保護は、コンサルティング・サービスなどの事業、あるいは商品のために利用している場合にも、採用される。

しかし、商標を登録していない場合は、保護の範囲は不明確であり、とても限定されてしまう可能性がある。どれだけユニークなマークを利用しているか、どのように利用しているかなど、個人の状況、そして、州法によって、大きく左右される。

商標は、当該の市場内においてのみ適用される点に注意してもらいたい。例えば、Delta Faucets(デルタ・フォーセット)とDelta Airlines(デルタ航空)は、競合していないため、そして、混乱が生じにくいため、共存することが出来る。同様に、Apple Music(アップル・ミュージック)とApple Computers(アップル・コンピュータ)も共存することが出来るが、アップル・コンピュータが楽曲の提供を始めると、訴訟に発展してしまう。しかし、このような類似性でさえ、このエントリの件では、十分と見なされていない

基本的に、商標は、その他の知的財産とは異なり、焦点は限定されているものの、適用される範囲は広いと考えてよい。

トラブルを回避するには

商標に関するトラブルの中でも、ブロガーが一番注意したい領域はドメイン名である。Tubetorial(チューベトリアル)の中でも説明したように、まずは適切なドメイン名を選択することが重要である。ユニークな名称を選ばなかった場合、統一ドメイン名紛争処理方針(UDRP)に従い、ドメインを失う羽目になるか、反サイバー・スクワッティング消費者保護法(ACPA)を根拠に訴えられることになるだろう。

そのため、ドメインを登録する前に、商標を徹底的にリサーチすることが重要である。また、チューベトリアルでも推奨しているように、USPTOの商標電子検索システム(TESS)および従来の検索エンジンを利用し、企業や他のサイトから商標について文句を言われないように、しっかりと確認しておきたい。

しかし、ドメインを登録した後でも、注意を怠ってはならない。ロゴがその他のマークと類似し、その他の企業との関連を連想させてしまわないように注意する必要がある(例えば、その企業と提携を結んでいる、あるいは、承認されていると明示してしまうなど)。また、他の商標に触れているなら、その企業と関係がないことを明確に表現しなければならない。

一般的には、法律の保護は、単なるコピーではなく、市場内での混乱に関してのみ適用されるため、商標に触れること自体に問題があるわけではない。ただし、すべての表現をチェックし、ユーザーが混乱してしまうかどうかを尋ねてみることを奨める。

商標を保護するには

商標を保護する行為は、著作権とは異なり、保護に失敗すると、マークの私用が禁止されてしまうため、非常に重要である。Digg(ディグ)が、同サイトのマークを保護するのに必死になっているのは、このためでもある。

商標を保護したいと思うなら、まずはUSPTOに商標を登録しよう。自ら登録プロセスに取り掛かることも出来るが、弁護士の助けを借り、与えられる保護を全て確実に受けることが出来るようにする手もある。登録することで、多くのメリットが当事者には与えられる。連邦裁判所で訴訟を起こすことが出来る権利も、その一つである。

それ以上に重要なのが、商標を完全に把握し、他の人がどのように利用しているかを注意することだ。その際、Google Alerts(グーグル・アラート)が、適切に利用することが前提だが、非常に強力なツールとなる。グーグル・アラートは、ブログのエントリであれ、同じ名前のサイトであれ、誰かが自分のウェブ上で配信すると、メールで教えてくれる仕組みになっている。このツールは商標を追跡するだけでなく、サイトの人気をチェックするツールとしても有用である。

また、Domain Tools(ドメイン・ツールズ)のMark Alert(マーク・アラート)等、自分の商標を侵害する可能性がある新しいドメインの登録を見張るツールもある。このようなサービスは、低額ながら料金を支払わなくてはならないものの、サイトが公開される前に、ドメイン名に関する抗議を行うことが出来る効果もある。

どんなツールを使っても、商標の使われ方を把握することが大切である。そして、侵害されている可能性があるなら、弁護士に相談しよう。

結論

ペイリントロジー問題の結論はまだ確定していないが、ハウザー氏と弁護士は、USPTOに商標を登録し、ニュースウィークとの和解に向けた話し合いを継続している。

この問題により、ブログのタイトルが、まったく目立たない存在から、一夜にして貴重且つ世界的な商標に生まれ変わる可能性を秘めていることが証明された。

ウェブの世界は、一夜にして状況が一変するため、自分の商標を完全に把握し、サイトの名称を他人がどのように利用しているのかを確認するだけでなく、自分の汗と涙の結晶を守るためにも、十分に注意しよう。

商標の価値は、築かれるものではない。価値の高い商標は、取得するものである。努力の証を守ることが重要である。

ライター紹介: ジョナサン・ベイリーは盗用、コンテンツ盗作、そしてウェブの著作権問題をテーマに取り上げ、Plagiarism Today(プレジャリズム・トゥデイ)でブログを書いている。ジョナサンはコンテンツ盗作問題に対応するウェブマスターが正確な情報を集め、この変化の激しい分野で取り残されないようにこのブログを2005年に始めた。それ以来、コンサルティングサービスをウェブマスターや企業に提供し、彼らが現実的なコンテンツ保護戦略を考案できるように、そして効果的な著作権ポリシーを策定できるように支援している。ジョナサンは弁護士ではなく、彼が提供している情報も法的なアドバイスとして捉えるべきではない。

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