Tuesday, 7 October, 2008

DMCA免責条項 その二 - DMCAチェックリスト

8月 6日 at 11:30 am by ジョナサン ベイリー -

「その一」では、DMCA免責条項のブロガーに関連する項目を紹介し、この法律の内容から、適切なDMCA通知状を作成する方法に至るまでを検証した。

しかし、この法律がたとえ一般的に浸透しても、濫用される危険性は消えていない。故意にせよ、故意ではないにせよ、虚偽のDMCA通知状を送付し、侵害していないコンテンツを削除させている人達がいるのだ。その一方、適切に応じることが出来ないため、法律が与える保護を断念してしまっている人もいる。

私が弁護士ではないことを心の片隅に置いてもらった上で、今回は、DMCA通知状を利用する戦略、そして、対応する戦略を紹介していこうと思う。通知状を受け取った側にせよ、送付する側にせよ、対策を講じておくべきなのだ。

よくあるDMCAの誤り

DMCA通知状を送る際に、犯してしまいがちな誤りは数多くある。これらの誤りの多くは無害であり、大きな問題をもたらすことはないが、中には、重大な法律問題を引き起こしてしまうものもあるため、これら危険な誤りに関しては、特に注意する必要がある。

詳細なリサーチを行ったわけではないが、ありがちなDMCAの誤りを以下に挙げていく:

  1. 不十分なDMCA通知状: 「その一」でも触れたが、DMCAの通知状には、適切と見なされるためには絶対に欠かせない複数の要素が存在する。これらの要素が欠けていると、対応する必要がないため、受け手に無視されてしまう可能性がある。この誤りをなくすためには、良質なDMCA通知状のテンプレートを利用する必要がある。
  2. 不適切な人に送ってしまう: 通常、DMCAの通知状は、ホスト、場合によっては、検索エンジンに送る。まずはホストを特定し、次に、その企業の適切な人物を見つける必要がある。このプロセスを実行するには、Domain Tools(ドメイン・ツールズ)を使い、ホストを特定したら、今度はその企業のホームページ上でDMCAの情報を探し出そう。見つけることが出来なかったら、米国著作権局にDMCAの代理人のデータベースが用意されているので、チェックしてみよう。
  3. 著作権を持っていないのに通知状を送ってしまう: この誤りは最も危険である。まったく関係のない人に手間を取らせてしまう上、訴訟問題に発展してしまう可能性もある。作品の著作権を持っていない場合や、著作権を保有している人から指定された代理人ではない場合は、DMCAを送ることは出来ない。他人のコンテンツを奪うスパマーに対応するときはストレスがたまるが、誠意をもって取り組む必要がある。そうしないと通知状を送りつけた本人、そして、著作権の保有する人物との間で、揉めることにもなりかねない。
  4. 著作権を侵害していない利用: 著作権を侵害していない利用に対して、DMCA通知状を送ってしまう行為も、とても危険である。この類のケースは、公正利用、そして、契約が交わされている場合には、許可に関する問題にもつながるが、DMCA通知状で解決を試みるべきではない。
  5. 送付するのが遅すぎる: DMCAの通知状を送るのが遅れ、既に作品が削除されている段階で送ってしまう人を、私は今まで何人も見てきた。比較的危険は少ないが、DMCA代理人を困らせてしまうだろう。これは、警告状を最初に、あるいは同時に送付する際に、または、別の理由で当該の作品が閉鎖されている際に、よく起こる誤りである。

他にも誤りはあるはずだが、最も顕著に見られるのが上述の誤りである。しかし、幾つか予防の措置を講じておくだけで、大抵の誤りは回避できる。

DMCAのチェックリスト

上述の誤りやそれ以外の誤りを回避するためには、通知状を送る前に、時間を割いて、誤りがないことを確かめるべきである。少なくとも、次の質問に全て「ハイ」で答えられる状態になってから、通知状を送るようにしよう:

  1. 私は著作権を持っているか?
  2. 当該の利用は、許容の範囲を明らかに超えているか?
  3. 明らかに権利を侵害しているか(公正利用ではないか)?
  4. DMCA通知状の必要な項目をすべて記入しているか?
  5. 最大限の努力を投じて、ホストを特定したか?
  6. ホストの所在地は米国内か?
  7. 宛先は、ホストの現在のDMCA代理人になっているか?
  8. サイト(スパム、利用規約の違反等)を報告する別の適した方法はないか?
  9. この通知状が公開されても、特に問題はないか(例:Chilling Effects(チリング・エフェクツ))?

上述のリストは完璧とは言えないが、リストにすべて「ハイ」で答える状態を作ることで、法に触れ、現在抱えている問題よりも更に困難な問題を抱えてしまうような最悪なケースは避けることが出来るはずだ。

DMCAの通知状を送付しても、無視されたり、逆に追われる立場になってしまっては何の意味もないのだ。

通知状が送られてきたら

逆にDMCA通知状が送られてきたら、あるいは送られる立場に置かれたら、どう対処すればいいのだろうか?答えは複雑であり、クレームが寄せられた経緯によって対処方法は大きく異なる。2つのシナリオが考えられる:

  1. 警告状、または、DMCA通知状そのものが送られてくる。
  2. ホストにDMCA通知状が送られ、送られてきたことを知らされる。

一つ目のケースでは、若干同意できない点があっても、まずは要請に応じるようにしよう。通知状に応じることで、法的な保護を受けることが出来るだけでなく、問題を解決しようとする誠意を見せることも出来るからだ。作業が完了したら、弁護士に相談し、作品を再び掲載するべきか否かを決めることも出来る。

ホストが通知状を受け取った場合、彼らが取る行動は3つに絞られる:

  1. 本人に通知状を送り、対応を任せる。 これは、ドメインのホストや、有料でホスティングサービスを提供している企業によく見られる対応である。これらの通達は、本人に代わって作品を削除するのではなく、侵害している可能性がある作品を本人に削除してもらうために行われる。
  2. ホストがコンテンツを削除する。 無料のホストやソーシャル・ネットワーキング・サイトがよく行う対応である。
  3. サイトを停止する。 大きなドメインのホストや無料のサイトが一般的に取る対応である。これは、サイト全体を停止し、当該の作品を本人に削除させる手法である。

1つ目のケースは、まるで自分が通知状を受け取り、自分で対応し、その後、自分で当該の要請が妥当だったかどうかを分析することが出来るため、最も好ましい対応と言えるだろう。法律に抵触していないことに気づいたら、反論する通知状をホストに送付し、彼らの了承を受けたら、作品を戻すことも出来る。

2つ目のケースは、1つ目のケースよりも複雑である。まずサイトをチェックし、当該のコンテンツを除いたコンテンツが、すべてアップされているかを確認しなければならない。サイトが稼働しているなら、DMCA通知状のコピーをホストから貰い(提供されていない場合)、審査しよう。自分、そして、弁護士の判断で、もし通知状が妥当ではない場合、または、コンテンツが侵害していない場合は、 逆に通知状をホストに送り、コンテンツを戻させることも出来る。

このとき、たとえ作品が侵害していないと思っても、絶対にコンテンツを勝手に戻すべきではない。これをやってしまうと、“侵害をリピート”したことになり、たとえ特に悪いことをしていなくても、サービスを利用することが出来なくなってしまう可能性もある。

3つ目のケースは、最も困難であり、最も避けてもらいたい対応である。これに対処するには、以下の作業を行う必要がある:

  1. 通知状のコピーを手に入れる: 通知状のコピーを貰っていない場合は、すぐにホストから貰うようにしよう。
  2. サイトへのプライベートなアクセスを手に入れる: 当該の作品を削除することが出来るように、FTP、あるいは、プライベートなバックエンドでの手法を介して、サイトにアクセス出来るようにホストに要請する。
  3. 作品を削除する: 侵害しているとみられる作品を削除する。
  4. ホストに伝える: 作品を削除したことを伝え、残りのサイトを復旧してもらえるように頼む。
  5. 通知状の妥当性を特定する: 通知状の内容に問題がある場合は、弁護士に相談し、了承を得ることが出来た場合に限り、逆に通知状を送ることも検討する。
  6. 作品を再びアップする(妥当な場合): ホストが納得した場合は、ホストにコンテンツを再びアップしてもらうか、自分でアップする。十分な時間が経ったことを確認してから、作品をアップする。

自分のもとに著作権に関するクレームが多数舞い込むようなら、永遠にアカウントを停止されてしまう可能性があることを覚えておいてもらいたい。もちろん、払い戻しは出来ない。通常、ホストは何度も侵害する人に対しても、なるべく長い目で見るようにしているようだが、中にはすぐに行動を起こす企業もある。

しかし、DMCAの通知状が送られてきたら、基本的には、相手が誰であろうが、ホストと協力するべきである。間違えても弁護士とホストの承認を得ずに、自分で勝手に行動を起こしてはいけない。

結論

DMCAを適切に利用するには、適切なプロセスを実施し、法律に明記されている手順を踏む必要がある。予防的な措置を講じなかったり、法律を自分の都合のいいように解釈していると、問題を抱えることになるだろう。

法律の精神に逆らわずに行動すれば、逆に問題を抱えるような事態を迎えることはないだろう。また、DMCA通知状が送られてくる立場になってしまっても、必ずしも災難に見舞われるわけではない。

自分の権利を把握し、しっかりと準備を整えておけば、DMCAを使いこなすことも出来るし、誤って利用する人達からの通知にも対応することが出来るはずである。事前にしっかりと理解し、最悪の場合に備えた準備をしておくことが最も重要なのだ。

ライター紹介: ジョナサン・ベイリーは盗用、コンテンツ盗作、そしてウェブの著作権問題をテーマに取り上げ、Plagiarism Today(プレジャリズム・トゥデイ)でブログを書いている。ジョナサンはコンテンツ盗作問題に対応するウェブマスターが正確な情報を集め、この変化の激しい分野で取り残されないようにこのブログを2005年に始めた。それ以来、コンサルティングサービスをウェブマスターや企業に提供し、彼らが現実的なコンテンツ保護戦略を考案できるように、そして効果的な著作権ポリシーを策定できるように支援している。ジョナサンは弁護士ではなく、彼が提供している情報も法的なアドバイスとして捉えるべきではない。

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