Digital Millennium Copyright Act(デジタル・ミレニアム著作権法:PDF)の免責条項ほど、ブロガーに直接影響を与える法律は、ほとんどない。ブロガー達は、この条項を、許可なくコピーされたときに作品を削除するよう求めるために利用するだけでなく、新しいサービスを読者に提供するためにも活用しているのだ。
しかし、DMCAの免責条項は、頻繁に利用はされているものの、あまり理解されていないのが現実である。DMCAの免責条項にどのような効果があるのか、そして、何を保護するのかを実際に把握している人は、意外と少ない。そのため、この法律が制定する権利や義務は、実は、理解されていないことになる。
そのため、時間を割いて、この法律が規定する内容、そして、コンテンツのクリエイターとして、ホストとして、双方の立場でブロガーに適応される範囲を分析し、現時点の最も効果的な利用方法を探っていこうと思う。
512条(c): ウェブ・ホスト
DMCAは、“ホスト”という用語を用いるのではなく、“ユーザーの指示で、システムあるいはネットワーク上に掲載されている情報”という文章を用いていることを知っておいてもらいたい。要するに、管理者以外の人が掲載したコンテンツという意味である。
つまり、DMCAは、自分で掲載したコンテンツや編集面で管理することが可能なコンテンツに対しては、力が及ばないことになる。投稿者(有料ホスト・アカウントの場合)、コメンターを含め、管理の行き届かないところでマテリアルを掲載する、“ユーザー”が投稿したコンテンツに対してのみ、ブロガーを守ってくれるのだ。
しかし、DMCAは、サイトやサービスが免責条項を主張するための条件を定めている。以下に、その条件を挙げていこう:
- 実態を把握していないこと: 管理者が、当該のマテリアルが権利を侵害している事実を把握していないことが条件である。
- 侵害しているマテリアルを削除すること: ホストは、適切に通知された後、迅速に侵害しているマテリアルを削除していることが条件である。
- 直接的な収益を得ていないこと: もし、ホストが活動を管理する立場にある場合、その活動から直接、金銭的な利益を得ていないことが条件である。
- 代理人を指定すること: ホストは個人、大抵の場合は管理者自身を、著作権の侵害を知らせる通知を受ける代理人に指定するべきである。
- 連絡先を明記すること: ホストは、代理人の連絡先を自分達のサイト、そして、U.S. Copyright Office(米国著作権局)に登録し、閲覧できる状態にしなければならない。
当然ながら、大きなホストでさえも、これらの条件をすべて満たしているサービスは少ない。著作権局にまったく登録していないホストもあれば、サイトに自分達の情報を掲載していないホストもある。金銭的な利益を得ているホストもあれば、侵害している作品をなかなか削除しないホストもある。
事実として、これらの要素は法廷であまり実証されていないため、上述の条件を満たさないことで、ホストがどの程度のダメージを負うのかを判断するのは難しい。
しかし、出来るだけ安全性を高め、ユーザーによる侵害の責任を回避するためには、法律が制定する上述の条件を満たしておくべきである。
512条(d): 情報の場所を特定するツール
DMCAは、ユーザーが権利を侵害しているマテリアルを投稿し、知らずにホストしているサービスだけでなく、侵害しているマテリアルにリンクを張っているサイトも保護している。この免責条項は、検索エンジンやディレクトリを保護し、さらに“ユーザーを侵害しているマテリアルや侵害している活動を含むオンラインの場所に対して言及したり、リンクを張っている”、すべてのプロバイダーを守るために範囲が拡大されている。
しかし、この条項は、ホストに対する条件と酷似する条件が付帯している。リンクを張っているサイトは、侵害の事実を把握していないこと、そして、侵害するマテリアルから直接金銭的な利益を得ていないこと、そして、通知された時点、あるいは、気づいた時点が迅速にマテリアルを削除することが求められているのだ。
しかし、奇妙な違いが一つある。なぜか“情報の場所を特定するツール”に対しては、DMCAの代理人を指定しなければならない旨が記載されていないのだ。いずれにせよ、彼らが通知を受領し、代理人と同様の行動を取らなければならないことを考えれば、納得することは出来るだろう。
通知状を作成する
DMCAの通知状を作成するのは、以外と難しい。ホストを特定し、代理人を探し(通常はウェブサイトに記載されている)、適切な形式で作成された書類を送らなければならないのだ。
ホストを特定し、彼らに連絡を取り、そして、通知状をストックする際に役立つ、各種のチュートリアルが用意されているため、これらを参考にして、DMCAの特定の条件を把握し、時宜を得た行動を取ることが重要である。
- 侵害されている疑いのあるマテリアルの特定: 通常、侵害されている作品をホストが特定しやすくするため、URL、タイトル等の情報を掲載する。
- 侵害しているマテリアルの特定: 通常、侵害しているマテリアルが見つかるページのURLを掲載する。
- 連絡先の情報: ホストが連絡を取れるように、通常、住所、電話番号、そして、メールアドレスを掲載する。
- 善意を問うメッセージ: “主張する作品の利用が、著作権の保有者、その代理人、または法律が許容する範囲で行われていない”旨を掲載する。
- 偽証の罰則: “通知が正確であり、偽証罪に処する条件の下、主張する側が、侵害の疑いがある権利を独占するオーナーの代理人である”旨を掲載する。
- 署名: 実際の署名、あるいは電子の署名を残す(書式は様々)。
通知状を提出し、作品が削除されたら、通知された側は、反対する通知を提出することも出来る。この通知を行う条件は、通常のDMCAの通知と同じである。しかし、反対の通知を提出するには、連邦裁判所の同意を得る必要がある。
自分を守る
DMCAの保護を受けたいなら、まず、現状、そして、抱えているリスクを把握する必要がある。
ビジターから権利の侵害になりかねないコメントが多く寄せられているだろうか?多くのユーザーが投稿する、フォーラムやコミュニティ・サイトを運営しているだろうか?自分が感知しない範囲で、侵害しているコンテンツが含まれている可能性がある、大量のコンテンツにリンクを張っているだろうか?
もし、上述の質問に対して、「Yes」が一つでもあり、且つ、アメリカの国籍を持っているか、あるいは、サイトが米国内でホストされているなら、DMCAを頼りにするのは危険である。
どこまで条件を満たすべきかは、ケースバイケースであるが、せめて通知状を受け取ることが出来る態勢は整えておくべきだろう。サイトを登録していなくても、あるいは、法律に完璧に従っていなくても、連絡を取れる態勢ができていれば、大抵の争いは避けることができるはずである。
もし、相手側が、こちらを見つけることが出来ず、著作権の問題を抱えているなら、彼らは、ブロガーをとばし、直接ホストにかけあうことになる。その結果、問題の片がつくまでは、サイトごとオフラインにされてしまうこともあるのだ。
結論
DMCAの免責条項は論争の的になるが、現在のウェブは、この条項なしには成り立たないだろう。DMCAがホストに与える保護措置がなければ、愛用するサイトやサービスの大半は、運営することが出来ないのだ。
この法律が持つ力、そして、保護の範囲を考慮すると、時間を割いてこの法律を理解し、正確に利用することが出来るようにするべきである。
要するに、法律を間違えた用途で利用しても、何の意味もないと言うことだ。来週は、劣悪なDMCA通知上の送付を避ける方法、そして、実際に通知を受け取った場合の対応する方法を探っていきたいと思う。
ライター紹介: ジョナサン・ベイリーは盗用、コンテンツ盗作、そしてウェブの著作権問題をテーマに取り上げ、Plagiarism Today(プレジャリズム・トゥデイ)でブログを書いている。ジョナサンはコンテンツ盗作問題に対応するウェブマスターが正確な情報を集め、この変化の激しい分野で取り残されないようにこのブログを2005年に始めた。それ以来、コンサルティングサービスをウェブマスターや企業に提供し、彼らが現実的なコンテンツ保護戦略を考案できるように、そして効果的な著作権ポリシーを策定できるように支援している。ジョナサンは弁護士ではなく、彼が提供している情報も法的なアドバイスとして捉えるべきではない。
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