スパムを完全に壊滅するのは、不可能に近い。
法律およびテクノロジー産業のトップが真剣になっても、ジャンク・メール、スプログ、そして、スパム・コメントの流れを打ち切るソリューションを提供することが、未だに出来ていないのだ。
新しい法律が作られ、テクノロジーが進歩する度に、スパムを嫌う大多数の人々と、少数派のスパマー達による、終わることのない戦いが繰り返されてきた。
数年前と比べると、スパムに悩ませられることは確かに減った。受信箱にスパムが届くことはほとんどなくなり、スパム・コメントの大部分は排除され、とりわけブログがまともに攻撃を受けてしまうのは検索スパムぐらいであろう。
しかし、ジャンクなコンテンツは、かつてないほど増加している。毎年、送信されるジャンク・メールの数も増加し、また、コメント・スパムの数も増加傾向にある。
私達は、この症状を抑えることで精いっぱいであり、原因の特定にまでは手が回っていない。これは、スパム・メールの仕組みに対してのみ、対策を講じてきたためである。しかし、より大きな問題には、まだ手を付けられていないのだ。
そろそろ、スパムの謎にスポットライトを当て、どのように作用しているのかを検証するべきではないだろうか。
関連
問題は、スパマーが収益を上げるために多くのテクノロジーを利用していることだ。実際に、スパマー達は、単一の手法のみに頼ることがないように日常的に注意している。なぜなら、その方法が明日にも使えなくなってしまう可能性があるからだ。
スパマー達のシステムは、シフトチェンジや変更が行われても生き残ることが出来るように設計されている。そのため、彼らは複数の手法を日常的に利用し、同じ成果を上げることが出来るように工夫しているのだ。コメント・スパマーも同様に、RSSフィードを盗用し、スパム・ブログを立ち上げ、フォーラムにスパムを投稿したり、ジャンク・メールを送信し、創意工夫している。
全てのスパマーが考えられる全ての手法を利用しているわけではないが、大半のスパマーは、少なくとも、2つあるいは3つの手法を併用しているはずだ。自分達を止めるために、人々が寝る間を惜しんで懸命に対策を講じていることを考えると、彼らが長期間に渡って生き残るためには、単一の手法に頼るのはリスクが高すぎるのだ。
一番の問題は、攻撃がお互いに関連し合っていることであろう。コメント・スパムは、検索エンジンのランキングを押し上げる、スパム・ブログと並行して利用されることがある。グーグル等のCAPTCHAシステムを打破するために、スパム・ブログをBlogSpot(ブログスポット)に投稿し、さらにメール・スパムをGmailを介して送信する手段を採用するスパマーもいるだろう。
スパマーの世界では、すべての行動が関連するような仕掛けが採用されている。スパマー達は、常に各種の手法を利用し、定期的に新たな手法にも手を伸ばしている。例えば、スパム・メールに利用されていると考えられている、ボットのネットワークは、コメント・スパムを送るため、そして、ブログを盗用するためにも利用されている。そのため、スパマーを検知することも、止めることも難しいのだ。
このヒドラのようなアプローチを取っているため、スパマー、その中でも、とりわけ多産タイプのスパマー達の息の根を完全に止めるのが困難になる。また、彼らは全てのアプローチにおいて、最高のツールと手法を利用しているのだ。
彼らを食い止めるには、彼らよりもさらに賢くならなければいけないのだ。
協力体制
残念ながら、アンチ・スパマー陣営は、それぞれの分野に限って、問題を解決しようと試みている。スパム・メールを追跡する人達は、ウェブ・スパマーと戦う人達と会話を交わすことはなく、そのウェブ・スパマーを食い止めようとする人達も、コメント・スパマーを退治しようとしている人達に情報を提供することはない。
このようなコラボレーションを実現するシステムは存在せず、また、その意図もほとんど垣間見ることが出来ない。要するに、自分の問題を解決すること以外には興味がないため、スパマー達は自由に垣根を越えて活動することが出来てしまうのだ。
この問題は、同じ分野で戦っている人達の中でさえ見られる。例えば、スパム・ブログをグーグルにレポートすることで、インデックスから削除することは出来るかもしれないが、ブログスポットのアカウントを停止させ、Adsense(アドセンス)の収益をカットすることが出来るのかは定かではない。また、そのURLが含まれているメッセージが、Gmailでフィルタリングされるのかさえも、確認することが出来ないのだ。
スパマーに大きなダメージを与えることは出来るのかもしれないが、彼らの活動を完璧に止めさせることは、まず不可能だろう。木のように、枝を数本切っても、その枝が再び戻るまで、他の枝が木の存続を支えるのだ。
大半のスパマー達は、アンチ・スパマー陣営が繰り出す攻撃に対して、柔軟性、そして、数の多さを利用し、対処する方法を学んでいる。もし、私達アンチ・スパマー陣営が、協力関係を築き、柔軟性を発揮させないように徹底的に攻撃すれば、彼らの息の根を止めることが出来る可能性がある。
結論
スパマー達は、ウェブの欠陥を悪用する技術に長けている。
彼らは、人間がジャンクなコンテンツを削除するよりも早く、コンピュータがジャンクなコンテンツを放出することが出来ると言う事実に大きく依存している。メールを大量に送信すれば、何通かはフィルターをくぐり抜け、数少ないダマされやすい人達が商品を購入する現実を悪用しているのだ。また、彼らは、フィルタリングや報復を恐れずに、コメントを投稿することが可能な、ブログやフォーラムを利用することもある。
この問題を解決することは永遠に出来ないのかもしれない。悪意を持った連中は常に悪行に手を染めている。とりわけウェブにおいては尚更この傾向が強い。それでも、ただ単に生き永らえるのではなく、もっと効果的な行動を起こすことが出来るはずである。
技術ばかりに頼るのではなく、手と手を取り合い、スパマー達に対して、反撃の狼煙を上げようではないか。これを実現するためには、未だかつてないレベルの協力関係が必要になるが、スパムとの戦いを大きく変えることが出来るはずだ。
単なる夢物語なのかもしれないが、考えてみる価値はあるだろう。
ライター紹介: ジョナサン・ベイリーは盗用、コンテンツ盗作、そしてウェブの著作権問題をテーマに取り上げ、Plagiarism Today(プレジャリズム・トゥデイ)でブログを書いている。ジョナサンはコンテンツ盗作問題に対応するウェブマスターが正確な情報を集め、この変化の激しい分野で取り残されないようにこのブログを2005年に始めた。それ以来、コンサルティングサービスをウェブマスターや企業に提供し、彼らが現実的なコンテンツ保護戦略を考案できるように、そして効果的な著作権ポリシーを策定できるように支援している。ジョナサンは弁護士ではなく、彼が提供している情報も法的なアドバイスとして捉えるべきではない。
[原文へ]
トラックバックURL:
http://jp.blogherald.com/2008/06/04/assembling-the-spam-puzzle/trackback/
コメントはありません