コミュニケーションを支える新しいテクノロジーが登場する度に、程度の差はあれ、必ずと言っていいほど、著作権が問題になる。ピアノロールから、ラジオ、テレビ、そして、ウェブまで、すべての素晴らしいテクノロジーが、著作権の状況を変え、その著作権を保護する動きにより、針路が変更されてきたのだ。
この点においてはTwitter(トゥウィッター)も同じである。一時的な流行であれ、流行を超える大規模な何かの始まりであれ、トゥウィッターは、テクノロジーとして、著作権に関する困難な課題を抱えている。このマイクロブログ・サービスは、現在の著作権の枠組みに収めるのは難しく、ウェブへの投稿に対して、多くの人が考える難問に行き着くことになるだろう。
それでは、どのような著作権の問題をトゥウィッターは抱えているのだろうか?この質問に答えるために、様々な角度からこのサービスを検証し、潜在的な著作権の問題の存在を確認していこうと思う。
トゥウィッター・ユーザーの権利
トゥウィッターは、同サービスの利用規約の中で、同サイトに投稿した、あらゆる作品に対する権利は、投稿した本人が保有すると明確に記載している。しかし、実際に投稿された作品を見ると、このようなメッセージは不要に思えてしまう。
トゥウィッターでは、140文字という文字数の制限がかけられているため、著作権性の基準に達する作品を投稿するのは、不可能とまでは言はないが、非常に困難になることは間違いない。俳句などの短い作品は、著作権によって保護されるが、トゥウィッターに投稿される大多数のアイテムは、「原作者のオリジナルの作品」として見てもらえる可能性は低い。短すぎること、そして、創作物の要件を満たさないことが原因である。
とは言うものの、トゥウィートの中には、創造物の要件を満たしていれば、著作権保護されるものもあり、同じユーザーのトゥウィートの集合体が、1つの大きな作品を切り分けたと際に生まれたエントリならば、著作権性が認められる可能性は高い。
法廷がこの件に関してどのような決定を下すのかは不明だが、実際には、このようなトゥウィートには、滅多にお目にかかることはない。要するに、トゥウィートのコンテンツが、訴訟を起こすのに十分な価値があり、尚且つ著作権局に登録されている確率は非常に低いのだ。
よって、トゥウィートに対して、著作権訴訟を起こすユーザーの割合もほぼセロに等しいと言える。
トゥウィッターでの侵害行為
ここでも文字数の制限が、トゥウィートに対して、著作権を主張し、実施する行為だけでなく、著作権を侵害する行為にも歯止めをかけている。このような短い文字数制限により、ほとんどすべてのコンテンツの利用方法が、公正と見られる可能性が高い。さらに、トゥウィッターで侵害があったと判断しても、削除を要請する通知を同サービスに提出する労力に値する価値があると思う人は、はとんどいないだろう。
一番大きな危険をもたらすのは、ユーザーがリンクを交換することができる機能である。自分でコンテンツを投稿するよりは安全かもしれないが、侵害しているマテリアルへリンクを張る行為自体、侵害と見なされることもある。TwitPic(トゥウィットピク)のようなサービスを利用すると、トゥウィッターでリンクを介してコンテンツをアップロードすることも、共有することも簡単に実施することができるようになり、侵害している作品をユーザーが投稿してしまい、その作品を奨めるためにトゥウィッターを利用してしまう可能性が高まる。
しかし、これらの問題を抱えるのは、トゥウィッターではなく、当該のサービスになるだろう。大抵、著作権の保有者は、その作品の削除を要請することで満足し、トゥウィットピクのサイト内でも紹介されている、通常のDMCAのプロセスを実施することになるだろう。
トゥウィッターのユーザーが、侵害している疑いのあるコンテンツにリンクを張るだけでは、とりわけ彼らが侵害を認識していない場合は、深刻な問題に巻き込まれる可能性は低い。
トゥウィッターの役割
トゥウィッター側は、現在の著作権法では、手厚く保護されていると考えられる。彼らのサービスは、DMCAのセーフ・ハーバー条項を満たしており、彼らのサービスを介して行われた侵害に対しては、1.見て見ぬふりをしていないこと、2.その侵害から直接的な利益を得ていないこと、そして、3.通知された後に適切に削除していること、という条件をクリアしていれば、トゥウィッターが罰せられることはない。
トゥウィッターは、サイト上に非の打ち所のない著作権ポリシーを掲載しており、この中には、DMCAを介して、クレームの通知を実施する方法まで適切に記載されている。 しかし、彼らは、今のところは米国著作権局に代理人を登録してはいないようだ。
多くの新しいウェブサービスとは異なり、トゥウィッター自体は、企業そのものを潰しかねない深刻な著作権の問題を抱えているわけではない。
その他の問題
だからと言って、トゥウィッターが法的な問題を絶対に起こさないと言っているわけではない。しかし、著作権に関しては、現時点で心配する必要はないと言えるだろう。それでも、トゥウィッターのユーザーが、法律のトラブルに巻き込まれる可能性はある。その典型的な例を以下に挙げていこう:
プライバシーの侵害: トゥウィッターでどんな情報を公開しようが、それはユーザーの自由だが、他人のプライベートな情報を許可なく掲載してしまえば、トラブルに発展してしまう。たとえ、居場所を特定するようなシンプルな情報であっても、プライバシーの侵害と見られる可能性がある。
名誉毀損: 誤った情報を投稿し、他人の評判を貶めてしまえば、訴えられる可能性がある。害のない冗談のように思えても、異なる見方で捉えられ、問題に発展する可能性がある。トゥウィッターに投稿する情報には注意しよう。
トレードマーク: もし、トゥウィッターで利用しているユーザーネームが他人を混乱させ、どこかの企業や製品と勘違いされてしまうのなら、または、トゥウィッターを使い、商標登録された名前に泥を塗っているのなら、法的な問題に巻き込まれる可能性がある。
つまり、著作権に関しては、それほど心配する必要はないものの、上述の例のように、トゥウィッターに投稿する情報には気をつけるべきである。
結論
法的な面だけ見れば、トゥウィッターはその他のブログと大きな差はない。文字数の制限が、著作権問題に歯止めをかけているものの、やはり投稿するメッセージには注意を払うべきである。
ウェブに向かっていると、スクリーン・ネームやメール・アドレスの後ろには別の人間が控えていることを忘れてしまいがちである。そのため、普段の教養溢れる社会生活においては、考えられないようなことを口走ってしまうのだ。
しかし、その責任は現実世界で取らなければならないため、ブログであれ、写真の共有であれ、トゥウィッターであれ、ウェブでの作業に取り組むときは、常に法的な問題のことも心の片隅に置いておくべきである。
訴えられる側には回りたくないはずであり、そのためには、責任感ある行動を取り、他人に敬意を払うことも大事だが、その前に、まずは、潜在的な危機を考慮することが肝要だ。
絶対に訴訟を避けることができる、究極の方法は存在しないが、少なくともその可能性を低減させることはできるはずだ。
ライター紹介: ジョナサン・ベイリーは盗用、コンテンツ盗作、そしてウェブの著作権問題をテーマに取り上げ、Plagiarism Today(プレジャリズム・トゥデイ)でブログを書いている。ジョナサンはコンテンツ盗作問題に対応するウェブマスターが正確な情報を集め、この変化の激しい分野で取り残されないようにこのブログを2005年に始めた。それ以来、コンサルティングサービスをウェブマスターや企業に提供し、彼らが現実的なコンテンツ保護戦略を考案できるように、そして効果的な著作権ポリシーを策定できるように支援している。ジョナサンは弁護士ではなく、彼が提供している情報も法的なアドバイスとして捉えるべきではない。
[原文へ]
トラックバックURL:
http://jp.blogherald.com/2008/05/07/copyright-and-twitter/trackback/
コメントはありません