多くのブロガーが、定期的にゲスト・ブログを投稿する仕事を望んでいる。有償であれ、無償であれ、大きなサイトに投稿する機会を得るまでには、それなりの下積み生活を送ることになる。
しかし、新たにライティングの仕事を依頼された結果、その他のライター職と同じく、ブロガーも、重大な過ちを犯してしまう可能性がある。初めて連絡を受けたときなど、文書をよく読まなかったり、あるいは、新しい雇用者を喜ばせたいという思いで、放棄することになる権利に関して、何も考えずに契約書にサインしてしまう可能性があるのだ。
ところが、契約書に署名すると、契約に従う義務が生じる。そのため、劣悪な契約書に署名してしまうと、自分の作品に対する権利、そして、将来のプロジェクトの範囲が、長きにわたって制限されてしまうことにもなりかねない。
契約書の取引がいかに魅力的に思えても、時間を割いて、じっくり読み、放棄する可能性のある権利を確認する価値はあるはずだ。
注意する言葉
他のサイトに記事を投稿する契約やコンテンツを他のサイトに使う契約に署名するときは、複数の権利を必ず放棄することになる。単に作品を表示させるだけでも、、表示する権利、配信する権利、実行する権利等の広範な権利に加え、作品を編集する必要がある場合は、派生的な作品を作る権利も必要になるのだ。
しかし、多くのサイトが、必要以上に権利を手に入れようとしている。稀なケースではあるが、作品における完全な著作権さえ獲得しようと試みるサイトもあるが、このような契約書を作成するの難しく、また、法廷でもあまり効果がない。それでも、実際に自分の作品に対して、自分で管理することができなくなるほど多くの権利を渡すよう、要請される可能性はある。
次に、契約書に記されていたら注意するべき言葉を挙げていこう。これらの言葉にお目にかかったら、署名する前によく考えるべきである。
- 独占: 多くの企業やサイトは、コンテンツに対する独占的ライセンス使用権を要求してくる。これは、自分のサイトを含め、別のサイトに投稿する行為、あるいは、派生的な作品を利用する行為を予防することが目的である。この権利は、検索エンジンがコンテンツの複製を嫌うことを考えれば、比較的、納得できるし、全体的にはあまり害はない。しかし、次に紹介する権利と結びつくと、厄介な存在に変身してしまう可能性がある。
- サブライセンス可能/譲渡可能: サブライセンス可能とは、受諾者が提供された権利を第三者に供与することができる、と言う意味であり、一方の譲渡可能とは、受諾者が、卸売することができる、と言う意味である。この二つの用語は、承認あるいは補償金なしで、作品が他のサイトに売却あるいは提供されることを意味する。
- 永久/取り消し不可能: 大抵の契約書は、解約手段を用意しているが、与えた権利が永久に持続する場合や、取り消し不可能とされている場合は、作者に返されることはない。そして、権利を手に入れた側は、たとえライターが辞退しても、永遠に維持することができるのだ。
- 著作者人格権(米国以外): 米国に居住していない場合、または、他国の企業に勤めている場合、著作者人格権の放棄に言及する契約や強制する契約には注意する必要がある。著作者人格権は、とりわけ、作品に対する作者の帰属先を明示する権利であり、著作権から独立している。この権利を犠牲にするということは、作品に対して自分の功績が認められなくなる危険性があると言うことだ。
- 競業禁止条項: 直接的に著作権に関係しているわけではないが、競業禁止条項は、別のサイトで同じようなトピックの記事を投稿する行為を制限し、この中には自分のサイトも含まれる。語調の強い条項の中には、既存のサイトの閉鎖を強制するものまである。
契約を結ぶときは、これらのタイプの契約書が、通常、作品を利用することで生じる可能性のある状況において、購入者を守るために作られていることを、予め把握しておくことが重要である。契約書の中で権利を要求されているからと言って、彼らが解釈を捻じ曲げようとしているわけではないのだ。
しかし、これらの権利を譲渡する契約を交わすと、その後彼らが悪用することになっても、異議を唱えることはできない。
代案
署名するまでは、契約の効果はゼロだということを認識しておくことが大切だ。納得のできない契約書を提示されたら、修正を加え、条件を協議することができる。双方の関係者が署名して初めて、契約が成立するのだ。
上記の言葉を見つけ、署名して権利を手放すことに違和感を覚えたら、妥協点として、次に挙げる代案のことを考慮してもらいたい。
- ただ単に独占権をもみ消すのではなく、独占権が有効な期間を定めよう。ウェブ上の大部分の作品のことを考えると、作品の価値は、数週間あるいは数ヶ月後には低くなる傾向がある。こうすることで、検索エンジンにも、どのサイトが“オリジナル”なのかを判断するために、十分な時間を与えることができるようにもなるのだ。
- 単純にサブライセンスを認めるのではなく、ライセンスを提供する関係者すべての承認を得て、作品が、自分の評判を落としかねない関係者と関わらないようにするべきである。
- 契約の破棄、そして、適度な権利の返還を求める、妥当な手段が存在するか確かめよう。適切な契約は、契約の満了後、しばらくの間、作品を利用する権利を求めてくるが、コンテンツに対して、自分も権利を留保することができるかどうか、確認しておこう。
- 恐らく、あまり問題を抱えずに、大部分の著作者人格権を手放してしまうことが予想されるが、帰属を明確にする権利が詳細にわたって記されているかぐらいは確認しておこう。
- 競業禁止条項は、それ自体は、理不尽な条件ではないものの、契約の破棄に伴い、この条項が終了すること、すべての既存のサイトと作品が除外されること、そして、“競合”の詳細な定義が明確に記されていることを確認しよう。
契約書のない契約に注意
署名が必要な契約書よりも恐ろしい契約書は、署名を必要としない契約書である。契約書に署名せずにウェブサイトに記事を投稿するブロガーやライターが増えるにつれ、知らずに非常に危険な状況に身を置いてしまう人達も増えている。
原因は、米国内では、このような記事投稿の取引は、雇用と見なされないことにある。要するに、契約書がなければ、それぞれの関係者が作品に対して持っている権利、あるいは持っていない権利を把握することが難しくなる。その結果、法廷の内外で加熱した論争が展開されるようになるのだ。
有償であれ無償であれ、契約を交わさずに他人のサイトに記事を投稿することになったら、自分と相手との間で交わされた会話を文書として、すべて保存しよう。正式な契約書が存在しない場合は、通常、2者間の非公式な同意に基づき、権利が割り振られることになる。何かしら議論されいない事柄があると、業界のスタンダードが何であれ、不履行となり、よって、黙示のライセンス契約が生まれる。
残念ながら、これは裁判所によって、そして、訴訟によって異なることを付け加えておこう。
しかし、多数の権利の放棄を要求する劣悪な契約であっても、契約を交わさない取引よりは、好まれる。出来る限り、条件を文書に残すように心がけよう。
結論
契約が好きな人はいない。長く、退屈で、威圧的だからだ。法律に関する文書をほぼ毎日読んでいる私でさえ、契約のことを好きになることはできない。
しかし、契約の締結は、プロのライターの仕事の一部であり、ライターと契約人双方を守るために契約を結ぶことを思い出してもらいたい。良質な契約書に目を通し、署名するだけで、数ヶ月あるいは数年に及ぶ幸福な雇用期間を過ごすことができるのだ。それを考えれば、数分程度の時間を割く価値はあるはずだ。
結局、契約書をしっかりと読み込むことで、今後、数ヶ月、あるいは、数年にわたって悩まされる可能性がある危険を回避することができるのだ。
ライター紹介: ジョナサン・ベイリーは盗用、コンテンツ盗作、そしてウェブの著作権問題をテーマに取り上げ、Plagiarism Today(プレジャリズム・トゥデイ)でブログを書いている。ジョナサンはコンテンツ盗作問題に対応するウェブマスターが正確な情報を集め、この変化の激しい分野で取り残されないようにこのブログを2005年に始めた。それ以来、コンサルティングサービスをウェブマスターや企業に提供し、彼らが現実的なコンテンツ保護戦略を考案できるように、そして効果的な著作権ポリシーを策定できるように支援している。ジョナサンは弁護士ではなく、彼が提供している情報も法的なアドバイスとして捉えるべきではない。
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