毎年この時期になると、ブロガーは、1年を振り返り、新しい1年に向けた目標を定める。2007年は、バイラルな動画、ブログストーム、そして、大規模なアップグレードがブロゴスフィアを賑わせ、とても忙しい1年であった。
しかし、コンテンツ盗用やスパム問題に巻き込まれたブロガー達にとっては、ほろ苦い1年になってしまったはずだ。スパム対策に大きな進展が見られたものの、そのほとんどは結局失敗に終わってしまった。一歩進むと、二歩下がってしまう状況が続いたのだ。
残念ながら、2008年もこの状況が続く可能性は高い。それでも、新しいツールが登場し、将来に明るい兆しが見え始めているため、2007年のような状態に陥るリスクは緩和されるはずだ。
2007年を振り返る
2007年は、大きな期待とともに幕を開けた。Wordpress.com(ワードプレスドットコム)は、比較的スパムの少ないサービスとして確固たる地位を築きつつあった。一方、Blogspot(ブログスポット)は、ブログ・スパムの反撃を食らってしまった。この影響はすぐに収まったが、多くの人がブログスポットをブログ・スパムの温床として認識するようになり、初めて表立って糾弾する事態にまで発展した。
しかし、時が進むにつれ、スパマー達の作戦も進化していった。2007年は、RSSフィードからコンテンツを取り込み、翻訳、あるいは同義語を使って修正する、変則的なスパマーが登場した年でもあった。こういったスパマーを検知することは、著作権の保有者にとっても、そして、検索エンジンにとっても困難であり、巧みな構造でスパム行為が行われるようになった。
この変則的なスパムに加え、Google Blog Search(グーグル・ブログ・サーチ)の検索結果やTechnorati Watchlist(テクノラティ・ウォッチリスト)で特定のキーワードを狙った、キーワード狩りが急増しただけでなく、ドメインをホストするスパマーもその数を増やしていった。
とりわけ後者のトレンドには留意する必要がある。以前、スパマーの大部分は、単純に無料のアカウントをできるだけ多く作り、コンピュータで自動的に生成した劣悪なコンテンツやRSSフィードから取り込んだコンテンツでブログを埋め尽くし、複数のアフィリエイトのリンクや広告を掲載することで、収益を上げようとしていた。この手法を利用した結果、すぐに検知され、停止に追い込まれたスパマーが急増した。そのため、有料のホストを利用し、大量のドメインを獲得する新しいトレンドが登場したのだ。これは、大きな利益をもたらしてくれる顧客を、“ほぼノーチェック”で認めてしまう、ホスト側の承認プロセスが招いた結果である。これらのネットワークを見つけるのは難しく、それ故、停止に追い込むのが困難になってしまったのだ。
この発展の原因の1つとして、スパマー達が、無料ホスト・サービスからプレッシャーをかけられたことが挙げられるが、それよりも、検索結果とトラフィックへの熾烈な争いが、大きな引き金になった可能性が高い。つまり、変化をつけ、キーワードを狩り、さらに、ドメインをホストすることが、検索結果に反映されるため、高額の料金を支払ってでも、スパマー達はこの手法を用いるようになったのだ。
不幸にも、このトレンドは、2008年も続いていく可能性が高い。
2008年の展望
残念なことではあるが、2007年を締めくくった、このトレンドが、2008年の幕開けを台無しにしてしまう。変則的なスパマー達は、さらに勢いを増し、定着してしまうだろう。新人スパマーをはじめ、無料サービスを好むスパマー達もいるが、スキルを持ち、量産するスパマー達は、ホストを利用し、安定したスパム行為を好むはずだ。
要するに、かつてはサーバー上に劣悪なコンテンツが存在することを嫌がっていたホストが、インターネットの汚染に対する戦いに消極的になってしまうため、ウェブマスターがスパム・サイトから自分達のコンテンツを削除するのが難しくなるのだ。これに加え、Adsense(アドセンス)やその他のネットワークにサポートする意志が見られないため、こういったスパム・ブログを停止するのは不可能に近い。
ジェイソン・カラカニスが、インターネットの汚染に関するプレゼンで指摘していたように、スパム対策の問題を解決する鍵は、スパマーの収益を大幅に減らすシステムを作ることができる人達が介入し、効果的に取り締まるかどうかにかかっているのだ。
不幸にも、最新のテクニックを利用したスパマーが稼ぐ収益の額は増え続けているため、目をつぶって見逃してしまうサービスが増えていく可能性は高い。現在、スパマーに濫用されているサービスは、罪を受けることもなく、これからもスパマーを野放しにすることが予想されるため、スパマーを見えない場所で受け入れてしまう新しいサービスが増加してしまうだろう。この中には、ウェブ上で最も信頼されているウェブ・ホストも含まれている。
しかし、悪いニュースばかりではない。増加するスパムとコンテンツ狩りに対抗し、コンテンツを守る側をターゲットにしたマーケットが活発に動き始めているのだ。
今年、スパム・ブログに対抗する、複数の新しいサービスが登場する。その一つがAttributor(アトリビューター)であり、個人のブロガーに合わせたバージョンがリリースされる予定だ。アトリビューターは、各種権利の侵害を探し、ライセンスが順守されていることを確認し、そして、問題の優先順位を決めることで、作品の権利を守り、さらに、ラインセス契約を結んでいないコンテンツを削除する際にも支えてくれるのだ。
次に、数ヶ月後に再登場する、Blogwerx(ブログウェルクス)を紹介しよう。このサービスは、約1年前、技術的な問題により、サービス開始後、すぐにつまづいてしまった過去を持つ。このブログウェルクスは、コンテンツに変化を加えるスパマーを含め、改良が加えられた盗用を発見するポテンシャルを持っている。
問題が顕著になるにつれ、プログラマー達も解決を試みるようになる。現に利用することが可能な、コンテンツ盗用に対抗する複数の素晴らしいワードプレス・プラグインをはじめ、2008年は、たくさんの高度なツールやテクニックに恵まれはずだ
つまり、昨年はスパマーに負けてしまったが、今年はスパム対策ツールがリベンジを果たしてくれる可能性があるのだ。コンテンツのトラッキングと不正利用の抑制に関心が向けられているため、投資家がこの新興産業に注目し、その結果、低価格且つ良質で、さらに強力なトラッキング・ツールや保護ツールが利用できるようになるかもしれない。
結論
2008年は、スパマー対ブロガーの激しい戦いが展開されるはずだ。その点に関しては、昨年とは若干異なる1年になるだろう。スパムが見つかって以来、毎年、いたちごっこがウェブ上で行われており、今年も例外ではない。
しかしながら、去年と今年の決定的な違いは、この戦いに、ついに大きな資金が投じられた企業が参戦することだ。企業はどちらの側につくか選ばなければいけない。要するに、彼らは、暗黙の了解のもと、または、直に援助することで得られる収入とインターネットの汚染と戦い、健康なウェブを後押しすることで得られる収入のどちらが儲かるのかを、判断しなければいけないのだ。
残念ながら、私達ブロガーは、スパム・ブログを“サポートする”決断をした企業を今まで何社も見てきた。その中にはウェブで最も重要な企業に数えられる大企業も含まれている。そのため、小規模な企業が、手っ取り早く収益を上げるスパマー側につく誘惑を、容易に断ち切ることができるとは考えられない。
そのため、今年こそは、企業がけじめをつけて、スパム対策に本気で取り組むようになってもらいたい。なぜなら、今年を逃してしまうと、この問題を管理するのが手遅れになってしまう可能性があるからだ。
情報公開: 私はアトリビューターのコンサルタントを務めている。
ライター紹介: ジョナサン・ベイリーは盗用、コンテンツ盗作、そしてウェブの著作権問題をテーマに取り上げ、Plagiarism Today(プレジャリズム・トゥデイ)でブログを書いている。ジョナサンはコンテンツ盗作問題に対応するウェブマスターが正確な情報を集め、この変化の激しい分野で取り残されないようにこのブログを2005年に始めた。それ以来、コンサルティングサービスをウェブマスターや企業に提供し、彼らが現実的なコンテンツ保護戦略を考案できるように、そして効果的な著作権ポリシーを策定できるように支援している。ジョナサンは弁護士ではなく、彼が提供している情報も法的なアドバイスとして捉えるべきではない。
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