ブログはメディアとして成熟しつつあるため、ブログの歴史に関するリサーチの重要性も増している。7月、Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)は、1997年12月23日に誕生したジョーン・バーガーのRobot Wisdom(ロボット・ウィズダム)を引きあいに出し、ブログ生誕10周年を祝っていた。そして、歴史を読み違えたとして記事の作者を非難するだけでなく、歴史を書き改める行為が、最初のブログを特定する議論をヒートアップさせていった。
レックス・ハモックも指摘しているように、ブログの歴史を統一するのは難しく、“それぞれが自分の考えるブログの歴史を主張するべきである。” ブログは時を経て熟成した行為であり、ある一つのブログを“最初のブログ”として特定するのは不可能である。ブログは現在も成長を続けている。上記の記事に関する議論は、ブロゴスフィアのアーカイブが不十分であり、歴史に対するリサーチを敢行する難しさを物語っている。
ブロゴスフィアは時間に焦点を絞っているが、ウェブ自体は時間を記録していない。
ブログのフォーマットは、日付入りのエントリが新しいものから順番に表示されることを見ても分かるように、時間を軸に発展している。フロントページには新しい記事が表示され、記事の数が増えると、古い記事はブログのアーカイブに移動していく。 ブログは自動的にアーカイブしていくが、誰がブロゴスフィアをアーカイブするのだろうか?
わりと早い段階で、ブロゴスフィアのアーカイブに挑戦したのが、1999年、Eatonweb(イートンウェブ)*に自分が把握しているブログをリストアップし始めたブリジット・イートンだ。彼女は自らリストを更新し、掲載希望の要請を、“時系列でまとめられていて、頻繁に更新されること”という彼女自身が持つ若干曖昧なブログの基準をもとに判断していった。(Internet Archive(インターネット・アーカイブ))
また、イートンはブログの存続期間をチェックしていた。数週間で’止めてしまうブログを識別するためであった”。彼女はブログをプロセスと捉え、時間の経過とともに変化していくことに気づいていた。イートンウェブは活動を停止したブログの墓場となり、ウェブログが存在しないこと、あるいはURLが変わったことを伝える、“[dead?] リンク”を提供していた。 データベースから削除されることはないが、フラグが立てられる仕組みになっていた。” (インターネット・アーカイブ)
イートンウェブはソースとして、そしてブログのインデックスとして確立し、そのアーカイブには豊富な歴史が詰まっている。インデックスはある特定の期間に行われ、これらの期間をつなげることで、アーカイブが作成されるのだ。インターネット・アーカイブは、活動を停止したブログおよびリンクを変えたブログの良質なリストを提供している。イートンウェブやTechnorati(テクノラティ)等のブログ・インデックス・サービスは頻繁にインデックスを更新しているが、その記録をする時期は公表していない。
テクノラティ等の有名なブログ・インデックス・サービスやグーグル・ブログ検索等の検索エンジンは、時間に注目し、記事が投稿された時間をもとに分類することができる。その一方、これらのサービスは時間を遡って検索することができないため、時間を認識していないことになる。デイブ・ワイナーとドック・シールズも主張しているように、ある単語を時間を巻き戻して検索することは不可能である。” ウェブでこの言葉が最初に使われた経緯を知りたい。それならできそうだ。” (ワイナー)
グーグルはTimeline(タイムライン)機能を試しているが、この機能は、記事が投稿された日付ではなく、テキスト内の日付に着目する。そのため、グーグル・ブログ検索でクエリ + タイムスタンプの双方が考慮されるようになるため、非常に有効な機能になり得る。ほとんどすべてのブログの記事に日付がつけられてるため、過去に遡ってクエリを検索することができるはずなのだ。
先日、テクノラティがインデックスから半年経過したコンテンツを外してしまったように、時間が一挙両得をもたらすとは考えていない人もいるはずだ。時間はブログおよびブロゴスフィアにとって非常に重要な局面であり、鮮度だけではなく、歴史に対してもそれなりに重要視するべきである。記事が新しければブログの価値が高いというわけではなく、アーカイブ全体が評価の対象なのだ。
*情報公開: イートンウェブは現在Splashpress Media(スプラッシュプレス・メディア)(ブログヘラルドも所有している)が所有、運営している
ライター紹介:アンネはアムステルダム大学でニューメディアを学ぶ学生であり、現在、WordPress(ワードプレス)にスポットライトを当てた「Blog Software and the Act of Blogging(ブログ・ソフトウェア・アンド・ジ・アクト・オブ・ブロギング)」と言う名の修士論文を書いている。アンネはブログ・リサーチャーとして、最近設立されたばかりの、同大学のDigital Methods Initiative(デジタル・メソッズ・イニシアチブ)に参加している。また、ブログと学問に関する記事を、自らのブログ、そして共同運営のMasters of Media(マスターズ・オブ・メディア)ブログに投稿している。
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