コンテンツ盗用は非常にややこしい。
まず、標準的なレベルの弁護士でさえも著作権法をほとんど理解していない。そして、ウェブ上でコンテンツを盗むために利用されるテクノロジー自体がややこしいのだ。
この混乱が一連の作り話と誤解を生みだす原因になっている。そのほとんどがウェブマスター達に増え続けるコンテンツ狩りと盗用について、必要以上にネガティブな影響を与えているのだ。
これらの作り話を払拭するために、Lorelle on Wordpress(ローレル・オン・ワードプレス)のローレル・ファンフォッセンと共に、コンテンツ盗用に関する一般的な作り話と、その話が間違いである理由をまとめた。
作り話 その1: まったく歯が立たない
数ある作り話のなかでも、止める方法が存在しないという作り話を信じている人は一番多い。
実際には、コンテンツ盗用の検知、追跡、制止するためにウェブマスターが自由に使えるツールは数多く存在する。そのツールがどこにあるのか、そして、どのように使うのかを突き止めればいいだけの話だ。
しかし、コンテンツ泥棒と対峙する際に、最も重要になってくるツールは、法律である。サイトが米国内でホストされているなら、Domain Tools(ドメイン・ツールズ)を使って特定し、DMCA通知状をホストに送りつけ、そのコンテンツを削除してもらえばいい。オーストラリアやEU等、諸外国にも同じような法律が存在している。
万が一、サイトがこのような法律が効果を発揮する領域の外側にあっても、検索エンジンや広告主に通知状を送りつけることは可能だ。
要するに、コンテンツ泥棒に対応するアプローチは多数存在すると言うことだ。DMCA通知状の提出に関しては、私の通知状集とDMCA連絡先情報リストを参考にされたい。
作り話 その2: 対応に時間がかかる
600件以上の盗用問題を取り扱った経験から言わせてもらおう。これは事実ではない。自分のサイトで実証したように、通常の盗用問題なら、20分で解決することができる。実際には10分以下で解決できるものが多い。
時間がかかるのは、対応する方法を学び、生じる問題に対処するシステムを設定するプロセスである。このようなシステムには検知するためのツール、通知状のテンプレート(使用停止命令、DMCA等)、そして追跡するためのツールが含まれる。それでも、このような基盤は数時間で仕上げることが可能だ。そして設定するのはたった一度きりだと言うことを強調しておこう。
これさえ終えれば、盗用に対応するのが楽になり、早く問題を解決することができるようになる。
作り話 その3: 弁護士が必要
弁護士を雇うことで損をするわけではないが、自分一人でも行動を起こすことができる。DMCA通知状を提出することができるのは、自分が著作権の保有者であるか、あるいは正式に代わりを依頼されていればいいのだ。
公正利用等の難問に取り組むときや、損害賠償を求めるときは、弁護士が必要になってくるが、それは非常に稀なケースだ。DMCAを送りつける作業は、テンプレートを使ってメールを送信するのと同じぐらい簡単な作業である。
注意: 故意に誤ってDMCAを送りつけてしまうと、非常に甚大なしっぺ返しをもらうことを覚えておこう。自分の作品の再利用が侵害に当たるかどうか分からないなら、やはり弁護士に相談しよう。コンテンツ狩りや盗用の大部分においては侵害が一目瞭然ではあるが、少しでも不安があるならまずは安全を第一に考えて、弁護士に相談しよう。
作り話 その4: 盗用者が海外にいる場合、打つ手がない
ウェブは誰も予期しない方法で世界を一つにつなげてきた。しかし、残念ながら、著作権法はこのような変化と国際化についていくことができていないため、見直しが必要とされている。
つまり、外国に住んでいる盗用者に対応するには、重いハンデを背負わなければならない。とりわけ、中国やロシアなど、侵害している作品に対してホストを動かすことができない法律が制定されている国の盗用者は手ごわい。それでも、だからと言って、打つ手がないと言うことではない。
第一に、サイト自体がもっと親しみのある地域でホストされている可能性が高い。上述のドメイン・ツールズを使えば把握することができる。海外のドメイン拡張を利用している多数の海外のサイトは、米国やEU諸国でホストされている。法律はサーバーが所在する国を基に適用されるため、削除を求めることができるのだ。
第二に、削除を要求する通知を送りつけることができなくても、グーグルやその他の検索サイトから当該サイトを削除させることはできる。そうすることで、少なくとも自分の作品から利益を受けることはできなくなるはずだ。
最後に、多くのサイトが、広告ネットワークや検索エンジンなど、米国やEUを拠点とするサービスを利用している。これらのサービスに違反しているサイトを伝え、重要な機能を無効にしてもらうのだ。
サイトを客観的に見て、あまり大きな期待を抱くべきではない。それでも、少なくとも完全に諦めるよりは理にかなっているはずだ。
作り話 その5: 少なくともリンクを貼っている
リンクはインターネット上の通貨である。リンクは、良質のコンテンツを提供していることに感謝し、ネタの出所を明らかにし、あるいは単純に役立つ記事を参照するために用いる。そのため、もし、スパムブログがリンクを貼れば、自分にもメリットがあるはずだと思いたくなる。残念ながら、そうはいかない。
すべてのリンクが同等に作られているわけではない。スパムブログは数で勝負する。その数は数十万にも達することがある。そのため、スパムブログの1本の記事に対するトラフィックはごく僅かである。また、検索エンジンは通常、スパムブログを重要視せず、意図的に彼らの外部リンクを軽視しているのだ。
要するに、スパムブログ内のリンクはトラフィックを増やしてくれるわけでもなければ、検索エンジンに対するメリットもないのだ。悲しい話だが、実はこれが最良のシナリオだ。
運が悪ければ、検索エンジンは当該ブログをスパムと判断せずに、コピー版のコンテンツを自分のコンテンツよりも高くランク付けしてしまう可能性がある。最近行われた調査の結果を参考にすると、情報源に言及し、リンクを貼っていても同じことが起こり得るそうだ。
最悪なのは、検索エンジンがスパムブログをスパムとして検知するものの、これらのスパムブログから多数のリンクが貼られていることを認識し、自分のブログまでスパム扱いされてしまうことだ。グーグルのスパム掃討作戦の巻き添えを食らうことは珍しくなく、スパムブログとはなるべき距離を取るべきである。
たとえサイトがスパムではなくても、自分のコンテンツがコピーされ、リンクを貼られることで、苦い思いをすることもある。私のコンテンツに出所を明記して使っていたサイトが、私のサイトよりも高いページランクを獲得していたこともあった。確かにリンクは有益だが、このようなコピーと「言い換え」や「部分的な引用」を混ぜて考えている人達がいるようだ。
ウェブマスターおよびブロガーは、このようなコピーが本当に価値があるのかどうかよく考える必要がある。もしこのようなコピーを許すなら、Creative Commons License(クリエイティブ・コモンズ・ライセンス)を利用することを勧める。そして、たとえクリエイティブ・コモンズのラインセンスが表示されていても、そして、出所が明記されていようといまいと、コンテンツ狩りはライセンス違反に変わりないことを覚えておいてもらいたい。
最後に、従来の著作権で守られている作品に対しては、出所を明記してもスクレイパーが公正利用問題で有利な立場に立つことはできない。公正利用は、出所の明記よりも、オリジナルの作品に与える市場価値の損害等、その他の要素に依存することが多いためだ。大量にコピーしてしまえば、リンクを貼っていようがいまいが、侵害と見なされる確率は非常に高い。
結論
コンテンツ盗用に関する作り話や迷信が溢れかえっている。今回は有名な作り話を5つ選んだに過ぎない。他にも作り話は多数存在している。
そこで訊きたいことがある。皆さんはこれまでどんな作り話を耳にしたことがあるのだろうか?あるいは明らかにしたい疑問はあるだろうか?
このような作り話に関して質問があれば、あるいは紹介したい新しい作り話を知っているなら、気軽にコメント欄で紹介してもらえないだろうか?
こういった問題の真実を早い段階で明らかにすることができれば、それだけ早い段階で、コンテンツが自由に手に入り、且つ作った人が報われるインターネット世界を作りだすことができるようになる。
ウェブを楽しむためにバランスが重要な要素になるのなら、スクレイパーが盗用者達が最もそのバランスを崩しているのは明白だ。
ライター紹介: ジョナサン・ベイリーは盗用、コンテンツ盗作、そしてウェブの著作権問題をテーマに取り上げ、Plagiarism Today(プレジャリズム・トゥデイ)でブログを書いている。ジョナサンはコンテンツ盗作問題に対応するウェブマスターが正確な情報を集め、この変化の激しい分野で取り残されないようにこのブログを2005年に始めた。それ以来、コンサルティングサービスをウェブマスターや企業に提供し、彼らが現実的なコンテンツ保護戦略を考案できるように、そして効果的な著作権ポリシーを策定できるように支援している。ジョナサンは弁護士ではなく、彼が提供している情報も法的なアドバイスとして捉えるべきではない。
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