Wednesday, 19 November, 2008

広告ブロックを回避する賢明な戦略

10月 2日 at 6:01 pm by ジョナサン ベイリー -

過激な政治作家のダニー・カールトンが、ファイヤーフォックスのブラウザーを利用している人を彼のサイトから締め出す決断を下し、抗議の嵐を巻き起こしている。

カールトンは、ユーザーが訪れるサイトの広告をフィルタリングすることができる、人気が高いファイヤーフォックスのプラグイン、Adblock Plus(アドブロック・プラス:ABP)を問題視している。当時、ABPを検知する手段が存在しなかったため、カールトンは「ウェブサイトのオーナーあるいはディベロッパーが持つ権利が侵害されている」と指摘し、すべてのファイヤーフォックスのユーザーを締め出した。

大多数のウェブマスターおよびブロガーは、カールトンが取ったような極端な行動を取ろうとは思っていない。実際に多くの人達はABPを全く気にしていない。メジャークラスの人達も現時点では、宣戦布告する正当な理由が見当たらないため、これらのアプリケーションに対して関心を示していないのが現実である

しかしながら、スパムブログや的外れなウェブマスターが広告をより際立たせ、迷惑な存在に仕立て上げるため、これらのツールの人気は高まっていく一方だ。いずれ法廷で大きな対決が行われることは避けられないかもしれない。しかしその一方で普通のブロガーに残された正当なオプションはあまり多くはない。たとえ広告のブロックが違法であっても、強制的な措置を実行するのは、グーグルやMyspace(マイスペース)等の数百万ドルの損失が見込まれる巨大なプレイヤーのみだろう。

そこで次のような疑問が生じる。たとえ閲覧者の中に広告をブロックする人がいても、ウェブマスターが収益の流れを維持することができるのだろうか?

問題

かつての広告をブロックするソフトウェアは単純であったが、現在のアプリケーションは遥かに優れている。一般的な広告ネットワークはドメインを基ににすべてブロックされ、業界のスタンダードに従い、地域的にホストされている広告は特徴を基にブロックされる。ほとんどすべての広告がURLあるいはリンクの文字列を基にブロックされる。

ネコとネズミの追いかけっこのように、ウイルスをばらまくウェブマスターとそのウイルスに対抗する企業は、新しいサービスがオンラインで導入されると、すぐに追いかける側の企業にレポートが提供され、多くのメジャーな広告ブロックソリューションによって阻止される運命をたどる。単純に新たなネットワークに移動するだけでは、広告ブロックソフトウェアから逃れることはできないだろう。そして地域的にホストされた広告ソリューションもまたすぐに検知されてしまう可能性が高い。

ブロッカーを惑わせようとして、広告ブロックの阻止を売り物にしているソフトウェアアプリもあるが、成功する見込みは少なく、また賢明とは言えない。時間を取って広告ブロックソフトウェアをインストールする人は、広告を見たくないからこのような行動に出ることを考えると、策略を用いて広告を無理やり閲覧させる行為が歓迎されるとは思えない。

既に提案されているように、革新をもたらし、ウェブサイトを収益化する新しいソリューションに取り組むべき時がやってきたのだ。

賛否両論のアイデア

不幸にも、革新の第一歩が問題点が多く、迷惑なアイデアを導きだした。

まず、AdBrite(アドブライト)やKontera(コンテラ)によってもたらせるインラインのテキスト広告は、すべてとは言わないが、多少は広告ブロックソフトウェアの検知を回避することができるため、人気が高い。しかし、ユーザーはこれらの広告を不愉快に思っている。なぜならリンクがコンテンツ内にエンベッドされているため、一見したところでは普通のリンクだと思ってしまうからだ。

この結果、これらの広告に対抗して、特別な広告ブロックのスクリプトを作成する者が現れた。

2つ目のアイデアはPay Per Post(ペイ・パー・ポスト)等のサービスを使い、収益化する方法だ。これらのサービスは製品、サービスあるいはウェブサイトのレビューを書いてもらうために、ブロガーに料金を支払う仕組みになっている。レビューはサイトのコンテンツの一部であり、広告ではない。そしてコンテンツは除去されないのだ。

しかし、これらのサービスは登場したころから議論の対象になっていた。ブロガーに「魂を売らせ」低俗化させるとして非難を浴びてきた。

多くの優れたブロガーがこのルートを辿っている。その結果、これらのサービスは公開要件を加えた。しかし、このサービスのことを考える際には、少なくとも敬意と信用の問題についても多少は触れられるべきだと思う。

広告とコンテンツを混合する行為は、多くの人が広告をフィルタリングしていることからも自然な流れではあるが、この2つを組み合わせることで、その他の数多くの手段において不利益を被る可能性もある。

広告の進化

オンラインの広告に関して言えば、ウェブマスターが若干堕落しているという、辛い現実を見過ごすわけにはいかない。簡単なGoogle Adsense(グーグル・アドセンス)やYahoo! Publisher Network(ヤフー!パブリッシャー・ネットワーク)等のサービスにどっぷり漬かり、ウェブマスター達はあまり深く考えずに広告を掲載しているのだ。アカウントを作成するために登録し、複数の広告を設定し、コードをコピーして、収益を待つだけで済んでしまうからだ。

自分達の広告をブロックされたくないウェブマスターは常套手段に頼るのではなく、以下のような新しい手段に挑戦するべきだ。

  1. 個人のスポンサー: 考慮するべきスポンサーの種類は2通りある。UserFriendly.org(ユーザーフレンドリードットオーグ)のようなスポンサーと企業のスポンサーだ。個人のスポンサーは月間あるいは年間で料金を支払い、ビジターがアクセスできない機能にアクセスしたり、コンテンツに早い段階でアクセスできる権利を得る。標準的な広告のサイズを避けることで、これらのスポンサーのプロモーションがフィルタリングを回避できる可能性は高い。
  2. 企業のスポンサーシップ: 企業のスポンサーシップは、新たなバックグラウンドやログを含め、サイト自体との統合から、記事の最後のシンプルなリンクまで様々である。問題は、コンテンツ自体とスポンサーシップとの統合を避け、サイトがスポンサーで溢れかえることにならないように、掲載する際の正当なボリュームを探し出すことだ。
  3. 有料コンテンツ: これは個人のスポンサーシップと同様に、無料コンテンツに加えて購入することができる有料コンテンツを提供する方法だ。この方法にはeブック、動画、写真、追加情報へのアクセス権、あるいは特定のガイド等が含まれる。その他のタイプの広告と同じく、標準的なサイズや一般的な文字列を避けることで、これらのマテリアルに対するプロモーションがフィルタリングの被害に合う可能性は低い。
  4. 商品化: Spaceballs(スペースボール)でヨーグルトが言っていたように、商品化こそ「映画の収益源」なのだ。Homestarrunner.com(ホームスターランナー)等のサイトは、広告を掲載せずにすべての収益を商品化に頼っている。
  5.  

  6. RSS広告: RSSフィードで記事を読む人が多いため、広告をRSSに掲載するのも理にかなっているのではないかと思う。ウェブベースのRSSリーダーはフィルタリングされ、プロキシベースの広告ブロックアプリはソフトウェアベースのリーダーをフィルタリングするが、自分のサイトに掲載しているときと比べれば、フィルタリングの網にかかる可能性は低いはずだ。
  7. 無視する: 最後に最高の方法を伝授しよう。多くのサイトにとっては、現段階においては、この問題に関して無視を決め込むべきだ。2,500万人というアドブロックユーザーの人数は多いように思えるが、10億人というウェブ全体のユーザーの人数から見れば大した数字ではない。広告ブロックツールのユーザーは広告をクリックする可能性は限りなくゼロに近いので、これらのツールが持つ経済的なインパクトもまたゼロに近いのだ。

結論

基本的に、もし広告ブロックツールが収益を削っていると感じているなら、各種の広告や新しい広告を単純に利用するのではなく、収益化戦略を考え直す必要がある。広告が広告フィルターによって壊滅状態に追い込まれることはないが、新しい形式と進化を育むだろう。

メッセージを伝えたいと願う広告主が存在する限り、彼らを助けようとする配信者も存在する。これは形式を越えた共生関係でり、終焉を迎える兆しは見当たらない。

オーディエンスにとっては喜ばしい関係ではないが、このおかげで無料でコンテンツを楽しむことができるのだ。一番大事なことは、ビジターの願いとコンテンツ作成者サイドの願いの丁度いいバランスを見つけ出すことだ。これこそ、質が高く、無料のコンテンツが豊富な素晴らしいウェブの世界を築く秘訣なのだ。

つまり、良くも悪くも、広告とマーケティングは私達が望むウェブ世界の構築段階において大きな役割を担っているのだ。楽園にはならないかもしれないが、地獄と比べれば遥かにマシなはずだ。

ライター紹介: ジョナサン・ベイリーは盗用、コンテンツ盗作、そしてウェブの著作権問題をテーマに取り上げ、Plagiarism Today(プレジャリズム・トゥデイ)でブログを書いている。ジョナサンはコンテンツ盗作問題に対応するウェブマスターが正確な情報を集め、この変化の激しい分野で取り残されないようにこのブログを2005年に始めた。それ以来、コンサルティングサービスをウェブマスターや企業に提供し、彼らが現実的なコンテンツ保護戦略を考案できるように、そして効果的な著作権ポリシーを策定できるように支援している。ジョナサンは弁護士ではなく、彼が提供している情報も法的なアドバイスとして捉えるべきではない。

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