Silicon Alley Insider(シリコン・アレイ・インサイダー)で、ダン・フローマーが、「ワイヤレス・カンファレンスの開催中に、ニューヨークに本社を構えるモバイル企業が発表するビジネスの報告を聞かなくてはいけないという条件が付くものの、サンフランシスコのホテルに無料で泊まることができるとして、誰か飛びつく人はいるのだろうか?」という一般的な疑問を投げかけている。
この疑問がきっかけで、私はブロガーとしての「値段」について思いを馳せるようになった。
マーケティングおよび広告業界のプロは、あらゆるジャンルにおけるブログのコミュニケーション能力を認めている。さらに彼らは製品やサービスに関する複数のブロガー達の正当且つ誠実な会話の力も認めている。複数の選ばれたブロガー達、とりわけメディアとして確固たる地位を築き上げたブロガー達は、大量の噂を誘発する力を持っているのだ。
その一方、大きなビジネスの一環としてのブログには、イベント、カンファレンス等を「取材」するよう求め、少しの日当で、多くの収益を上げる能力がある。
それでは、個人のブロガーについてはどうだろうか?私達の大多数が、予算を計上できるような大きなメディア組織には属せず、また以下のコストをカバーできるような収益を上げている大物ブロガーでもないはずである。
a) 海外を飛び回る費用
b) ホテルの部屋代
c) カンファレンスの参加費用
… これには食費などの諸経費は含まれていない。
一番大きな倫理的なジレンマは、不正/ゴマすり/賄賂から手を引くことで、常に偏らないように注意しなくてはならないと言うことだ。これは立派な記者がすることである。
さらに、偽りのない感情、そしてマーケティングのあいまいな話に束縛されない真の意見のパイプというイメージをブログに抱いている人がいることも忘れてはならない。
それではブロガーは何をすればいいのだろうか?
なぜなら — ジレンマに悩みたくない人に言っておこう。ビジネスおよびマーケティング関係者にブロガーは高く認められており、そもそも多くのブロガーがこれらの僅かな収入を得ている。疲れ果てた記者が軽蔑する極めて一般的な「ギフト」への誘惑が、実際にとてつもない影響をブロガーに与えている可能性があるのだ。
ブロガー達の*実績*を紹介しよう。
今年5月の初旬に、Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)が、「The New Adventures of Old Christine(ザ・ニュー・アドベンチャーズ・オブ・オールド・クリスティン)」というテレビ番組のプロデューサーがマーケティング費用の用途を決定した経緯に関する素晴らしい記事を掲載していた。このプロデューサーは、予算を従来通りの分野にすべてつぎ込むのではなく、「マミーブロガー」と呼ばれるジャンルのブロガーに費用の一部を充てたのだ(この記事を読んでいる方々のなかにもマミーブロガーがいるだろう)。
この番組のプロデューサーは彼女たちをカリフォルニアの撮影現場に*招待*し、番組の仕組みを見せるだけでなく、番組の出演者に会う機会も設けた。さらにお土産まで用意したのだ。
他のブロガーの行為をとやかく言うつもりはまったくないが、このような圧倒的に素晴らしい経験や有償の経験が、*実際*に当該の製品(あるいはテレビ番組?)に関して、ブログで綴る内容を変える可能性はあるのだろうか?
その可能性は否定できない。実際に、この記事は、プロデューサーに宛てられたお礼のメールの中で、プロデューサーがブログの内容を気に入らなければ、喜んで書き直すというメッセージが綴られていた事実を公開している。
このシナリオ、あるいは、上記の実際の問題に関して、簡単な答えがあるとは私は思えない。
私は、この問題への答えは、ブロガーとしてのイメージと実際に家に持って帰ることができるモノの間にある矛盾に隠されていると思う。それは金銭としての額かもしれないし、一般的な評価、妥当性、あるいはブログのテーマにしている業界へのアクセスなど、他の手段で測る見返りなのかもしれない。
上述しているように、問題は額が控え目だということだろう。
マーケティングおよびPR業界の人達は、*いつもどおり*の「伝統的な」プレスの視察旅行に必要な最低限度の金額を超えているわけではないと主張するかもしれない。
しかし多くのブロガーが得ている(あるいはこれから得る)モノよりも遙かに多くの見返りであることに変わりはない。
繰り返しになるが、私は真の答えが金額にあると確信しているわけではない。しかし、以下の事柄と深い関係があることは想像できる。
1. 公開: 交換条件、あるいは記事を投稿する理由
2. オーディエンス: ブロガーにどれだけ多くの信頼が寄せられているか
3. 景品の性質: 1ドルのペンなのか、100ドルのロブスターランチなのか、あるいはフォー・シーズンズホテルの1泊500ドルの部屋なのか?
結局、これらの事柄は自分の評判を多かれ少なかれ、築くのか、あるいは削るのかという問題につながるのだ。そしてこれこそが一番大きなポイントである。
たとえば、自分の評判および品位を投げ捨てることも厭わないのなら、プレスリリースを繰り返して、好きなだけモノをもらうことが何の躊躇いもなくできるはずだ。一方、もしブログが十分に人気を集めているなら、オーディエンスに見透かされ、許してもらえることもできないだろう。
他方で、反対の世界では、ギフト/賄賂/景品を全くうけとらずに、常に個人的な品位の感覚を優先することもできる。オーディエンスに愛されることは間違いないだろう。その結果、ブログが損をする可能性がある。
それでは、この2つが調和する点はどこにあるのだろうか?そして皆さんならどうするだろうか?
… 喜んでホテルの部屋にタダで泊まるだろうか?
… スポンサーに関する記事の内容を変えるだろうか?
… 批判的な内容の記事をつづることができるだろうか?
… 否定的な評価をされ、景品をもらえるチャンスがもう二度とめぐってこないのではないかと気を揉むだろうか?
これは議論する価値がある問題だと思う。なぜなら、ブログが成長を続ける中、多くのブロガーへの実際のメリットが、認知されている能力に追いつていないのが現実であり、私達もわりとすぐにこのような状況に立たされる可能性が高いからである。
ライター紹介: トニー・ハンはブログヘラルドの編集者である。研修医でもあり、一般内科学を専門的に学んでいる。またニューメディアをテーマに選び、時折熱弁をふるいつつ、Deep Jive Interests(ディープ・ジャイブ・インタレスツ)でブログを書いている。
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