Wednesday, 19 November, 2008

コメント絡みの法的な問題を検証

8月 14日 at 4:59 pm by ジョナサン ベイリー -

ブログのコメントセクションを開放するか否かの決断は、すべての新人ブロガーが直面する最初の重要な問題である。

ウェブサイト上のコメントを許可することは、コンテンツの可能性を広げるだけでなく、新しいレベルでの交流を切り開くことができるというメリットもある。しかし、スパムや法的な問題等、新たな問題が降りかかってくることも事実である。

ブロガーがコメントスパムと対峙するときに役立つプラグインやフィルタリングサービスが存在する一方で、法的な問題に対処する際のサポートはほとんど見当たらない。編集上の管理を行わずに、赤の他人に自分のサイトへ情報を提供させる権限を与える行為は、とりわけ現在のウェブ上で見られる法的な環境においては危険である。

幸い、ウェブ上のコメントに対応する法律はウェブマスターを保護するために策定されており、ブログ上のコメントが原因となる問題の多くは比較的容易に処理することができる。

つまり、サイト上のコメントを禁止するべき根拠は多数あるものの、法的な問題に関する懸念はこれらの根拠に当てはまらないことが多いということだ。

中傷/名誉毀損

ブログのコメント欄を介したメッセージ交換は熱くなり、第三者に対しての否定的なコメントに発展することがあるため、万が一コメンターが他人を中傷したり、誹謗した場合の責任問題はウェブマスターの悩みの種の1つであろう(注記:悪口は中傷を実際に口にすることであり、コメント欄から発生する可能性はほとんどない)。

米国では幸いにも、他人が行った中傷による不法行為からブロガーやその他の「双方的なコンピューターサービスの提供者」を保護する法律が存在する。1996年通信品位法第230項に、「双方向的なコンピューターサービスのいかならユーザーあるいは提供者も、別の情報コンテンツ提供者が提供した情報に対しては、配信者あるいは発信者と見なされることはない。」と明文化されている。

つまり、この法律は、自分のサイトのユーザーが投稿したコメントが問題となった場合にウェブマスターを保護してくれるというわけだ。無意識のうちに誹謗中傷の基盤を提供しただけでは、まるで中傷した本人であるかのように扱われることはない。この法律は、たとえコメントを編集したとしても、メッセージの趣旨を変更していなければ、あるいは更に中傷的なメッセージを加えていなければ、適用される。さらに、その他の名誉毀損訴訟、例えば不注意で不当に表示してしまった場合や、精神的苦痛に対してもこの法律が適用される。

しかし、第230項が自分の記事の中のコメント、あるいは自分が投稿したコメントに対しては適用されないことを覚えておいてもらいたい。また、Shoemoney(シューマネー)というブロガーが経験したように、名誉毀損裁判での召喚や証言を拒否することはできない。

さらに、インターネットはグローバルな規模で展開しており、この件に関する外国の法律は米国の法律とは異なることを頭の片隅に入れておいてもらいたい。もし中傷された人が外国にいる場合は、その国の法律が適用される可能性がある。また、不当な干渉妨害等、ブログのオーナーを対象とした法律を用意している州があり、適用される可能性があることも知っておきたい。このようなケースは異例だが、危険を予め知っておく価値はある。

たとえサービス提供者が中傷的なメッセージを取り下げる旨の規定が第230項になくても、報告を受けたら削除しておいたほうが無難だ。法律が改訂される可能性もあり、また、深刻化する前に、善意にのっとって行動し、紛争を避ける方がやはりいい結果を得られるはずだ。

一般的に、コメント欄の誹謗中傷についてブロガーが心配する必要ははい。ブロガーだけでなく、フォーラムの運営者、ウェブサイトのホスト、そしてインターネット上の配信を可能にするサービスを提供している人達を保護することを考慮して、この法律は慎重に策定されているからだ。

著作権

ブロガーのもう一つの悩みの種が、著作権侵害の可能性だ。とりわけコメンターにオリジナルの作品を投稿させるように促しているブロガーにとっては深刻な問題であろう。しかし、名誉毀損の場合と同じく、言われもない侵害に対して、ブロガーやその他のサービス提供者を保護するための法律が策定されている。

この法律は1998年デジタルミレニアム著作権法(PDFファイル)と呼ばれ、以下の条件を満たしていることを前提として「免責条項」をウェブのホストやその他のサービス提供者に与えている。

  1. 提供者は侵害の事実を知らない
  2. 提供者は侵害から直接的な利益を得ていない
  3. 提供者は、報告を受けてから、迅速に侵害しているコンテンツを削除あるいは当該コンテンツへのアクセスを無効にしている

この法律は、サービスの提供者が、ここではブロガーが米国著作権局に「指名した代理人」を登録し、完全な保護を受けるためには、著作権ポリシーを策定しなければならないと明記している。しかし、メジャーなウェブホストを含め、多くの企業がこのような登録を実施していないのが現状であり、また未登録という理由だけで保護を受けることができなかった判例は私の知る限り存在しない。

そのため、完全な保護を確実に受けられるように登録しておくのは賢い選択ではあるが、それよりも、著作権侵害の通知を受けることができる状態を作り、通知を受けたら迅速に行動する方が重要である。

そうすれば、著作権の侵害に対して責任を問われたり、はたまた訴えられたりする可能性は0に近くなる。もし著作権問題に巻き込まれる危険性が高い、メジャーなウェブサイトを管理しているなら、著作権局に登録しておく方が無難だ。しかしながら、著作権侵害の危険性を含むコメントはほとんど存在しないため、大部分のブロガーは登録する必要はないだろう。

何よりも一番重要なのは、これらの問題を真剣に考え、正式な通知を受けたらすぐに対応することだ。こうすることで潜在的な訴訟だけでなく、今後の問題を回避することができるのだ。

著作権ポリシーの策定等、このトピックの詳細はEFFのブロガーを対象とした知的財産に関するFAQで確認しよう。

商標

ごく稀なケースではあるが、ブログのコメントが商標に関する問題の原因になることがある。コメンターが企業の代表者の如く振舞っていたり、そのようにとられてもおかしくない行動をしている場合はなおさら危険だ。

理論上では、この問題により、ブログのオーナーが二次的な商標権侵害に問われる可能性がある。しかし、ブロガーが侵害を認知していることが前提であり、このような訴訟が実際に起こされる可能性は極めて低い。なぜならコメントを扱うときに、侵害から利益を得る立場に立つ可能性はないからである。また、ブログに侵害を制御/監視する機能が用意されていることも訴訟の可能性を低下させる要因である。

ブログのコメントに対する商標権侵害の訴えがブロガーを相手取って起こされる可能性は限りなく0に近い。商標法は侵害に気づいていない人達を守るために慎重に策定されているからだ。

考えられる商標関連の最悪のシナリオは、侵害しているコメントを削除するように求める警告状が送られてくることだ。この警告状が実際に送られてきたら、対応する必要がある。潜在的な侵害を認知した時点で、責任を問われる危険性が著しく高くなるからだ。

商標法はもともとウェブの作品を大きく更新する必要がない分野の法律である。この法律はインターネットが登場する以前から、現在においても名誉毀損や誹謗中傷と考える問題をつぶさに反映してきているため、大抵の場合、表現の基盤は保護されるのだ。

結論

ブログのコメントセクションを開放することで生じる法的な懸念は多いが、実際の法的なリスクは大抵の場合非常に少ない。

もしコメントを受けつけていたり、他のユーザーが情報をサイトに投稿しているなら、自分あるいは代理人がいつでもクレームに対応できる状態を作り、クレームには真剣に取り組むように心がけよう。米国憲法修正第1項は連邦議会および連邦政府には適用されるものの、私的なフォーラムやブログには適用されない。適度にサイト上の言論の自由を制限することができるのだ。

当然ながら、必要以上の検閲は問題の解決よりも、問題の原因となる可能性がある。もし批判的なコメントや非難に堪えられないのなら、コメントを無効にするのも1つの手である。しかしながら、法的な問題に発展する可能性のあるコメントに対しては、削除する権利がある。

ブログからコメントを削る根拠は数多くあるものの、法的な問題をその1つに数えるべきではない。大抵の場合、善意にのっとってコメントに取り組んでいれば、危険は非常に低い。どちらかといえば、コメントよりもブログ自体が法的な問題に触れる可能性が高い。

そのため、コメンターが発した言葉に対して責任を問われることはないが、自分の言葉に対しては言い逃れをすることができないため、自分の言動や配信する内容には注意するべきだ。

自分の投稿したものに対しては責任を問われる可能性があるが、少なくとも大部分の判例においては、他人の言動に対しては責任を問われることはないのが現状である。

ライター紹介: ジョナサン・ベイリーは盗用、コンテンツ盗作、そしてウェブの著作権問題をテーマに取り上げ、Plagiarism Today(プレジャリズム・トゥデイ)でブログを書いている。ジョナサンはコンテンツ盗作問題に対応するウェブマスターが正確な情報を集め、この変化の激しい分野で取り残されないようにこのブログを2005年に始めた。それ以来、コンサルティングサービスをウェブマスターや企業に提供し、彼らが現実的なコンテンツ保護戦略を考案できるように、そして効果的な著作権ポリシーを策定できるように支援している。ジョナサンは弁護士ではなく、彼が提供している情報も法的なアドバイスとして捉えるべきではない。

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