先週投稿した前編では、WordCamp 2007(ワードキャンプ2007)で学んだ数多くの教訓や正体が暴かれた迷信、そして楽しかったことをかいつまんで紹介した。今日はワードプレス関連のニュースやワードプレスおよびワードプレスコミュニティについて学習した事柄を紹介していきたいと思う。
まずWordPress.org(ワードプレスドットオーグ)とWordPress.com(ワードプレスドットコム)の違いを問う質問が必ず参加者から投げかけられる。
簡単に言うと、ワードプレスドットコムはワードプレス上でブログを無料でホスティングするサービスであり、一方のワードプレスドットオーグおよびワードプレスMUは複数のユーザーがワードプレスを利用できるサービスだ。ワードプレスという共通点はあるものの、ドットオーグの場合、企業、組織、あるいはグループが、複数のブロガー用に複数のブログを提供し、1つのコアインターフェースをバックエンドで管理することができる利点がある。ワードプレスMUを利用している実際のユーザーの例としては、5万人以上の教職員ブロガーが利用するEdublogs.org(エデュブログドットオーグ)が挙げられる。
ワードプレスMUは平均的なユーザーの手には負えない。2、3個のブログを運営したいと思っているブロガーでさえ対処できないだろう。ワードプレスMUは数千単位のブログの提供を考えているグループを対象としているのだ。
ワードプレスドットコムのユニークなところは、ワードプレス上で管理されていることであり、ワードプレスにまつわるあらゆることがらの試験場としての機能を果たしているところだ。ワードプレスのユーザーは100万人を越えており、ワードプレスの親会社、Automattic(オートマティック)はこの100万人以上のベータユーザーを通して、管理が行き届いた環境のなかで新しい機能のテストドライブを行うことができるのだ。
このようなテストを経て、ワードプレスの新しい機能はそれぞれフルバージョンのユーザーにリリースされていく。ワードプレスドットコムのユーザーが実証する数多くの機能により、さらに強固に、さらに早く、そしてさらに柔軟にブログが改善されていくのである。
開発者を代表して、マット・ムレンウェグ、ライアン・ボレン、バリー・エイブラハムソンがワードプレスの動作をスピードアップして、データベース上のインタラクションの効率を管理する重要性を説いた。開発者のマイケル・アダムズは「BackPress(バックプレス)」と呼ばれる新しい機能の開発に取り組んでいる。この機能は、Windows Live Writer(ウィンドウズ・ライブ・ライター)やデスクトップのクライアントに対して、データ構造の共有、そしてデータベースへのデータの追加が実行できるように支援し、さらにワードプレスが他のプログラムやサービスと併用できるようにするものだ。
ワードプレスドットコムの無料ブログサービスを小ばかにする人もいるが、ワードプレスドットコムには、多くの人が気ままにブログを楽しめるようにサービスを提供し(コードや更新と格闘せずに)、ワードプレスの開発に役立つ重要なテストを実行する役割があるのだ。
皆さんの興味を引きそうなワードプレスに関するニュースをいくつか紹介しよう。
ワードプレス統計
マット・ムレンウェグは「ステイト・オブ・ザ・ワード」と名づけられたプレゼンで、ワードプレスおよびワードプレスドットコムに関する数多くの統計データを発表した。
ワードプレスは現在まで10度リリースされ、1,090人がコアプログラミングに携わり、昨年だけで280万回ダンウロードされている。
一方のワードプレスドットコムは現時点で、少なくとも4人以上RSSフィードを購読しているブログを100万サイト以上ホスティングしている。これは素晴らしい数字だ。2,021万2,994本の記事が投稿され、ページビューは16兆を越えた。ワードプレスドットコムのサーバー上でとてつもなく大量のアクションが行われたことになる。
Akismet(アキスメット)は10億単位でスパムを捕まえている。コミュニティの交流により、ワードプレス上のブログやフォーラムにコメントスパムが投稿されるペースも落ち着きつつある。各ブログやフォーラムの管理者がコメントスパムをスパムとマーキングすることで、他のユーザーを助けているのだ。
ワードプレスはWordPress Themes Viewer(ワードプレス・テーマ・ビューワー)を管理し、著作権を侵害しているテーマ、重複するテーマ、リンクスパマー、広告で埋め尽くされたテーマ等、「役に立たない」テーマを一掃している。現在1,600通りのテーマが存在している。そんな中、マット・ムレンウェグはワードプレス・テーマ・ビューワーのバージョン3にとりかかることを発表し、新しいワードプレス・ビューワーの仕組みに関するサポートや情報の提供を呼びかけた。
WordPress Ideas(ワードプレス・アイデアズ)はユーザーがフィードバックを提供し、次のワードプレスのバージョンで使いたい機能に関する提案を行う場所だ。アイデアズには投票やコメントが用意されているため、ユーザーの考えが行き届く仕組みになっている。現在まで713人が自分達のアイデアを投稿し、投票された票数は3万6,000を超える。これらの提案の大部分は、タグに関する提案、ワードプレスからスポンサー付きのテーマを排除して欲しいという提案、プラグインのデータベースを改善したほうがいいという提案、デフォルトのカテゴリーをオプションにする提案が占めているが、さらに多くの提案がすでにコアプログラミングに実装されており、そして検討中の提案も無数にある。
ワードプレスドットコムを使うメリットは他にもある。ワードプレスの開発者がホストのサーバーにおけるワードプレスの影響をさらに把握することができることもその1つだ。オートマティックのHyperdatabase(ハイパーデータベース:HyperDB)は、スピードアップに関する、そしてCNNやオム・マリク等のトラフィックが多いサイトが利用するVIPホスティングサービスを含め、ワードプレスドットコムのロードに対応する効率を改善している。ワードプレスドットッコムは静的、動的なコンテンツに対する1日4,000万回以上のヒット、1秒間7,000件のデータベースへのクエリ、そして1秒間8万回のメモリキャッシュの呼び出しに対応している。皆さんのウェブホストも同じ条件のトラフィックに対応することができるだろうか?
ワードプレスの機能と開発
マットはインストール、更新、ワードプレス・プラグインの更新に対する改善がおざなりになっているため、来年、これらの改善にワードプレス開発チームが最も優先的に取り組みことを認めた。
マットは今年の年末までには、ワードプレス・プラグインの更新情報が、ワードプレス・プラグイン・ディレクトリ内のデータベースにリンクされた管理パネルに表示されるようになると述べた。これによりワードプレス・プラグインの更新が改善されるだろう。ワードプレスをアップグレードする準備期間においては尚更だ。
WPCPと呼ばれる新たなキャッシュ・プロキシももうすぐお目見えするようだ。WPCPの登場により、キャッシングのスピードアップが期待されている。またこの新しいプロキシはキャッシュを検証してくれるようだ。
また、基礎的な保存対応機能が、とりわけイメージ、動画、そしてオンサイトおよびオフサイトのマルチメディアに対する機能も改善される。さらに、次のバージョンでは、イメージおよびマルチメディアのハンドリングに関しても改善が見込まれているようだ。
そして待望のタグ機能がワードプレス2.3のリリースと同時に利用できるようになる。この機能は、人気の高いUltimate Tag Warrior Plugin(ウルティメイト・タグ・ウォーリアー・プラグイン)の機能と似ているようだ。
Happy Cog(ハッピー・コグ)のリズ・ダンジコは年末にリリース予定のワードプレス2.4の管理パネルに用意されている機能をいくつか紹介していた。ユーザーが最も利用する機能を一番目立つ位置に置き、コメントおよび投稿の効率が上げるらしい。大きな変更ではないものの、効率とアクセスの面で改善が見込まれている。
管理パネルへの改善に関しては、カテゴリー別、投稿者別、時期別等、記事を表示させる際のコントロール、そして、「Pending Review(ペンディング・レビュー)」として記事を保存する新しい「草稿」機能を含む記事の草稿の取り扱いについては、既にワードプレスドットコムで実際に活用されている。この新しい草稿機能は、投稿の前に管理者や編集者が記事を編集したり、見直す必要があるような、複数の人が投稿するブログに対して抜群の効果を発揮するだろう。
ワードプレスがコメントを取り扱う方法への改善点に関しては、例えば、AJAXをコメントパネルに内蔵し、実際の記事からではなく、パネル上から返信を送れるようにして欲しいという意見や、管理パネル上で、スレッド形式でコメントを閲覧できるようにして欲しいという意見など、活発な議論が行われ、数多くの提案がなされた。来年、このエリアでも改善が見られることを期待しよう。
ワードプレス・コミュニティ
ボランティアと貢献者が集うワードプレス・コミュニティは現在も積極的に活動しており、参加者を募っている。
ワードプレスドットコム・フォーラムとワードプレス・サポート・フォーラムでは常に助けが必要な状態だ。もしワードプレスを利用し、一週間のうち数分から数時間割くことが可能であり、他人を助けることを厭わないなら、是非力を貸して欲しい。
さらに皆さんの力を必要としているのが、次のワードプレスのバージョンを徹底的に鍛えているハッカー(コード開発者およびバグ修正担当者)およびテスターの人達である。
ワードプレス・テーマの開発者およびプラグインの作者もまた、次のワードプレスのバージョンに対応できるように、最新の情報を吸収することが求められている。次回のリリース情報を作者に伝えるため、新しいワードプレス・テーマ・ビューワーおよびプラグイン・ディレクトリに対する作業は現在も進行中であるが、Wordpress Roadmap(ワードプレス・ロードマップ)を通して確認することも可能だ。
WordPress Codex(ワードプレス・コデックス)内の情報を追加し、更新する作業も進行中なので、最新情報の確認はこまめに行うようにしよう。
ワードプレスを諸外国の言語に翻訳する作業に対する手助け、そしてワードプレスに対する諸外国の言語による支援の提供も呼びかけられている。
すべてのボランティア活動に対するメーリングリストが用意されているので、サインアップして、最新事情を把握し、積極的に参加しよう。
また、WordPress IRC Live Chat(ワードプレスIRCライブ・チャット)の権力を復権させ、現在そのサービスを使って遊んでいるワードプレスのソーシャルなグループを別のチャンネルに移動させることで、IRCライブ・チャットをサポート目的で利用するべきだと主張するユーザーが数多く存在する。
ワードプレスとオートマティックを構成しているのはリスナーである。私達のブログ生活の向上に一役買っている人達と直接話をして、彼らが私達の意見に耳を傾け、私達がどのようにブログをしているか、そしてどのように改善すればいいのかを真剣に考えていることが分かってよかった。多くの参加者が口々にワードプレスのスタッフが正直で誠実な対応をしてくれたと言っていた。
このカンファレンスの詳細は、ワードキャンプ2007の公式サイトと、パトリック・ヘイバンズやその他の投稿者達が綴ったワードキャンプ2007レポートで確認しよう。最後に素晴らしいイベントを開催してくれたオートマティックとワードプレスに感謝。
ライター紹介: Lorelle on WordPress(ローレル・オン・ワードプレス)等の複数のブログを書くローレル・ファンフォッセンはブログ歴13年という大ベテランである。ウェブテクノロジーの発達と共にブログを書き続け、旅行、自然、旅行写真、ウェブデザイン、ウェブ理論、開発、ブログそしてワードプレスなど幅広いテーマを取り扱っている。ローレルは売れ行き好調の書籍、「Blogging Tips: What Bloggers Won’t Tell You About Blogging(ブログのヒント、そして誰も教えてくれないヒント)」の作者でもある。この本は新装開店したブログヘラルド・ブックストアで購入することができる。
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