7月21日、22日、サンフランシスコで行われたWordCamp 2007(ワードキャンプ2007)の参加者として、私はこの充実した週末に得た前向きなフィードバックや学習した事柄の余韻にいまだに酔いしれている。この素晴らしき集会に集まったWordPress(ワードプレス)の開発者、ハッカー、ブロガー、そしてファンの数は総勢400人を越えていた。
要約すると、ワードキャンプ社交的なイベントと迷信の種明かしが行われたイベントが入り混じった週末であった。社交的な交流、ネットワーキング、発見、ブログのソーシャル面での素晴らしい教訓が紹介され、スポットライトが当てられてた。そこに多数のブログの迷信を解き明かすスパイスが加わったのだ。2話完結のシリーズ記事として、1話目の今回はワードキャンプ2007の数多くの社交的な事柄や迷信に触れ、次回はワードプレスにより関連するヒントやニュースについて紹介していきたいと思う。
私はブログのコネクション作りをテーマにしたプレゼンを行ったが、この週末は多くのワードプレスの著名なユーザーやワードプレスのコミュニティに出会った。私はあらゆるタイプ、そしてスタイルのブロガーに出会い、ワードプレスを愛する気持ちを分かち合うということ以外にも共通点を発見することができた。
ブログコミュニティと同様に、ワードプレスのコミュニティが活発で、エネルギーとやる気に満ち溢れているのは明らかだ。私は非常に多くの人がワードキャンプ開催期間中に私のところにやってきて、ワードプレスユーザー向けのオンラインマニュアル、WordPress Codex(ワードプレス・コデックス)、WordPress Support Forums(ワードプレス・サポート・フォーラム)、そしてワードプレスコミュニティ内のその他の奉仕活動に協力する方法を尋ねてくれたことに辟易してしまった。
ジョン・ドヴォラックにオム・マリク、ワードプレスマスターのマット・ムレンウェグ、マット・カッツ、そしてブログの父として多くのブロガーが認めているデイブ・ワイナー等がブログやウェブの知識を惜しげもなく提供していた。エゴは消え去り、私達ブロガーは自分達の大好きなブログツールのことを少しでも多く学ぼうと必死であった。
崩壊したブログの迷信
流行の周りでは数多くの迷信が語られ、社会的な基準に発展するが、ブログも例外ではない。ブログ、ブログの文章、SEO、ワードプレス、Automattic(オートマティック)、そしてワードプレスドットコムに関するこのような数多くの迷信がワードキャンプ開催期間中に消えていった。
期間内に明らかになった真実をいくつか紹介していこう。
ブログマルチメディアは難解だとは限らない
ブログへのマルチメディアの追加に関する迷信がのっけから儚くも散っていった。多くのブロガーはテクノロジーに恐怖感を覚え、あるいは圧倒されているものの、その反面魅力を感じている。マルチメディアをブログに加えるには、困難が待ち受けていると感じているブロガーがいまだに多い。
PodPress WordPress Plugin(ポッドプレス・ワードプレス・プラグイン)の作者である、ポッドキャストの天才、ダン・キューケンドールはワードキャンプの先陣を切り、ビデオ、音楽、ポッドキャスト、そしてその他のマルチメディアを、桁外れに簡単に使えるポッドプレス・プラグインを使って、ブログに加える方法を紹介し、すばらしいヒントや情報を提供してくれた。
ブログにマルチメディアを簡単に加える方法はたくさんある。難しくも、怖くもない。正しいツールを使えば、驚くほど簡単だ。ブログで重要なのは文章ではあるものの、それだけに囚われる必要はない。ブログに幾つかマルチメディアを加えて、試してみてはいかがだろうか?
ブロガーは配信者
ブログはオンラインの日記として始まり、個人的な生活を他人と分かち合うことが基本とされていたが、次第に発達し、ジャーナリズムとしての新しい日記の形を取るようになった。記事の投稿ボタンは冗談でそこに居座っているわけではない。「このボタンを押すと、文章が永遠に世界中の誰からも閲覧されることになる」大マジメなボタンである。多くのブロガーがようやく気づきだしたことだが、このボタンを押すと様々な責任が生まれる。
ジョン・C・ドヴォラックとオム・マリクはブログとジャーナリズムに関する迷信を切り捨てた。そして、私が驚いたのは、この2人のベテランニュースライターが、雑誌や新聞がビジネスに関しても、そして存続に関してもブログの脅威を感じていると正直に認めたことだ。
多くのブロガーはニュース、技術的なレビューや発見を分かち合い、世界中の数多くの読者のニュース「ソース」になりつつある。ブロガーは事実だけでなくニュースに見解を加えているのだ。
投稿ボタンを押す責任にはルールも法律もなく、それぞれの国の言論の自由以外何もなく、その規制もない。ブロガーがボタンを押し、自分達の言葉を世界に届ける瞬間、特有の目に見えない重大な責任がのしかかるのだ。
両氏が、ブロガーに対して自分と自分のブログを守るために、それぞれの国の名誉毀損法をもっと学び、言って許されること、そして、投獄されてしまう可能性のある言ってはいけないことを学ぶよう薦めていた。
すべて自分次第だが、単なるブロガーではなく、ウェブ配信者だということを自覚しておこう。
ブロガーの知ったかぶりはバレている
私がプレゼンを行った際、多くの参加者が「ブロガーが知ったかぶりをしていると、バレるか?」という質問に釘付けになっていた。
私は理由を尋ねた。すると目を見張るような解答が帰ってきたので、いくつか紹介しよう。
- 広告が多すぎる場合は、ブロガーの意図にはお金にあり、コンテンツも、誠意も二の次だということが分かる
- 「事実に関する」情報が明らかに間違えているときは、ブロガーはリサーチも、情報の裏づけも行っていない
- 予想がたまたま事実になったとき
- エゴがコンテンツおよび誠意の妨げになっているとき(“自分”のことばかり主張し、情報やコンテンツがおろそかになっている)
- ブロック引用のみで、付随するコンテンツがないとき
- トゥウィッターと同じ内容の文章を投稿しているとき
- 文章の質が低い、あるいはスペルミスがあるとき
- 他人としてブログを書いているとき(例えば、40歳の男性が14歳の少年として記事を書いているとき)
- ブログとブログの記事に「個性」がないとき
- ブロガーの正体が見えないときは、信用できない
たくさんのブロガーが、目に見える以上にコンテンツが自分のことを代弁してくれるという迷信を信じてブログを書いていることを理解した。ブログのすべてのパーツがブロガーの正体、ブログのテーマ、そして投稿ボタンを押すことで世界中に届く情報の正確性を左右するのだ。
ブロガーが知ったかぶりをしているブロガーを特定できることを考えると、読者にだって分かってしまうはずだ。
収益化の方法はブログを反映する
b5media(b5メディア)のジェレミー・ライトが行ったプレゼンによって、そしてジェレミーを含む有志3人によるパネルディスカッションによって、ブログの収益化に関する多くの迷信が崩れ去った。その中でも一番重大な迷信が、広告に良し悪しはないというものであった。
3人のパネリスト全員が広告はブログのコンテンツだけでなく、意図とも一致しなければならないと語った。ワードプレスドットコムがホストするブログの中でも抜群の人気を誇る可愛い猫の写真とマンガが掲載されたブログ、ICanHasCheezburger(アイキャンハズチーズバーガー)のエリック・ナカガワは、広告はブログに価値を加えるものでなければ、広告は単なる宣伝行為でしかなく、たいして効果がないことに早い段階で気がついていたそうだ。
他にも正体が暴かれた有名な迷信がある。ブログからの収入の多くは間接的なものであり、広告からの収入ではないのだ。広告だけで十分に収入を得ることが出来るブロガーはごく僅かである。ほとんどのブロガーの収入源は、ブログを書いた結果であり、ブログを使って、自分達のサービスやビジネスあるいは製品を宣伝したり、プログラムを紹介したり、講義を行ったり、本を販売したり、コンサルティングサービスを提供したりすることによる、間接的なソースで賄われている。
非常に多くのブロガーがこの教訓を分かっていないようで、自分達のブログを、収益につながらないだけでなく、ブログの評判を下げ、読者を追い払ってしまうこともある醜く、そして目に悪い広告で埋め尽くしているのだ。ブログに広告を加えるなら、ブログに価値を与えることを確認してから実行しよう。
ブログのユーザビリティーは自分がブログを利用する方法とは関係ない
Designing the Obvious(デザイニング・ジ・オビアス)の作者ロバート・ホークマン・ジュニアとHappy Cog(ハッピー・コグ)のリズ・ダンジコはブログのデザインとユーザビリティーというテーマに取り組み、ブログとウェブデザインはただ単にユーザビリティーを重要視すればいいという迷信を振り払った。つまり自分がブログを利用する方法ではなく、読者がブログを利用する方法の方がが大切だということを明らかにしたのだ。
多くのブロガーが頭では理解していたことではあるが、実際に行動に移しているブロガーはごく僅かである。ブログで考えなければならないのは、自分ではなく、読者のことであり、デザインに関しては、自分のブログだから可愛くしたいということではなく、読者のこと、そして読者のニーズを考えるべきである。
私が担当したプログラムでは、ブログを新しい読者にも親しみやすさを感じてもらえるように工夫することで、読者を失わずにブログを続ける方法、そしてブログでの会話を促す方法を紹介した。「ここに求めている情報があります」というメッセージを掲載すれば、ビジターは安心するし、親しみやすさも、そして安全な雰囲気を醸し出すことができる。彼らは求めている答えがブログにあることを把握できるのだ。
ホークマンとダンジコは共にソフトウェアデザインおよびウェブインターフェースを専門にしているため、その専門知識をブログに当てはめ、「ユーザー・インターフェース・エクスペリエンス」の観点から見たウェブデザインについて議論を展開した。ホークマンは自分のブログを5秒間見つめ、その後、記憶を頼りにすべてを書き出すという「5秒テスト」を行うよう薦めていた。このテストにより、多くの人が重要視している第一印象として目にするものが何なのかが見えてくるそうだ。はたしてビジターは5秒という短い時間で、ブロガー見て欲しい重要な部分を見ているのだろうか?
一方、ダンジコはワードプレスの管理パネルの再構築およびデザイン変更についてプレゼンを行った。彼女のデザイン変更に関する発表から2つの大事な教訓を学んだ。
- たとえ改善の余地があっても、壊れていないなら、いじらない
- ある方法が他のブロガーには有効でも、自分のブログに有効とは限らない
彼女の企業が行ったリサーチによると、ワードプレス管理パネルは改善の余地はあるものの、しっかり役目を果たしていることが判明したようだ。変えてもよくなるとは限らない。確かに改善の余地はあるが、今のままで充分であり、変える必要はないそうだ。
彼女はさらに、他のオンライン企業がグラフィックをプログラムの次の課題への視覚的な手がかりとして利用し、ワードプレスの管理パネル内の言葉のコマンドをワードプレスのユーザーには役立たずであったグラフィックに変えた経緯を探ったリサーチについても触れていた。「投稿」、「管理」、「コメント」という言葉があれば充分であり、可愛らしいアイコンが必ずしも必要だとは思わない。結局、ブログは文章を書く行為であり、言葉をわざわざグラフィックに変更する必要はないということだ。
自分のブログの中に故障はしていないものの、改善して、ユーザーのユーザビリティを高めることができる部分はあるだろうか?それとも既に試行錯誤を繰り返し、まったく問題のなかった部分に変更を加えているのだろうか?私は実行済みだ!
PageRank(ページランク)対策がいい結果を生むとは限らない
グーグルのマット・カッツはSEOやページランクにまつわる数多くの迷信の正体を明かしてくれた。彼は、最初に、客寄せを利用した長期間使える広告手法を展開しているブログのことを例に挙げ、このブログがグーグルからお咎めをくらった事実をマーケティングキャンペーンの一環として利用していた経緯を説明した。カッツはこの手法が馬鹿馬鹿しいものでもなく、またブログが1999年以前の劣悪なウェブデザインで固められていたわけでもなく、さらにグーグルから追い出されたというのは嘘ではないことを強調した。このブログはサイトの目的とは全く関係のない多数の隠れたキーワード、例えばブリトニー・スピアーズ、カーレース、セックス、ポルノなどをトピックに混入していたのだ。
カッツは検索エンジン、とりわけグーグルを悪用すると、お仕置きが待っていると説明した。所詮グーグルに勝つことはできない。彼らはどんなトリックも把握しており、新しいアイデアを思いついたとしても、広める前にばれてしまうだろう。
彼は注目される前に、リンクに値するコンテンツを作っておき、その後グーグルが自然に見つけるような順序を辿ることを薦めていた。非常に多くのブロガーがブログを始めて一ヶ月しか経っていないのに、そして、数本しか記事がないのにもかかわらず、自分のブログをアピールしている。キーワード豊かな検索用語が詰まったコンテンツを作り、そしてリンクに値するコンテンツを作ろう。そうすればグーグルが見つけてくれるのだ。
SEOのトリックやヒントがいたるところで噂されているが、ワードプレスのブログはすでにSEOが施されているため、大抵の場合、コンテンツを除いてSEOを気にする必要はない。注目を集め、グーグルに分類してもらうための作業はコンテンツを作ることから始まるのだ。
- 検索用語を含むキーワード豊かなコンテンツを作成する
- 記事のタイトルに検索用語を含める
- 重複したコンテンツはブログにとっては自然な成り行きなので、あまり気にしない
- SEOを意識せずにブログに取り組み、リンクに値するコンテンツを作成する。後のことはグーグルに任せる
次回も迷信やワードプレスのニュースを織り交ぜながら、ワードキャンプ2007を再びまとめていこうと思う。
ライター紹介: Lorelle on WordPress(ローレル・オン・ワードプレス)等の複数のブログを書くローレル・ファンフォッセンはブログ歴13年という大ベテランである。ウェブテクノロジーの発達と共にブログを書き続け、旅行、自然、旅行写真、ウェブデザイン、ウェブ理論、開発、ブログそしてワードプレスなど幅広いテーマを取り扱っている。ローレルは売れ行き好調の書籍、「Blogging Tips: What Bloggers Won’t Tell You About Blogging(ブログのヒント、そして誰も教えてくれないヒント)」の作者でもある。この本は新装開店したブログヘラルド・ブックストアで購入することができる。
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