アップルのiPhone(iフォン)に関する過剰な宣伝が横行している。この宣伝は私達が自ら広めており、張本人のアップルはのんびりと静観し、無料広告の恩恵を受けてきた。しかしiデイが近づく中、iフォンのタッチ機能の問題点を指摘したブロガーのレビューを目にして、がっかりする人達もいた。
それでも私を含め、人々は引き続きこの宣伝を受け入れている。
静観
2007年3月に開催されたMacworld 2007(マックワールド2007)の基調講演で、初めてスティーブ・ジョブズはiフォンの告知を行った。しかし実際にはiフォンの開発が始まったとされる2004年あたりからこの噂は流れ始めていた。
想像して欲しい。君がアップルの関係者だとしよう。PDAで失敗し、次に携帯電話市場への参入を狙うとしたら、そして携帯電話を大幅に進化させることができると確信していたら、宣伝にもそれ相応に力を入れ、頼りたくもなるだろう。
実はこれこそアップルが活用した戦略なのだ。プロジェクト・アステロイド、さらに新製品の噂に関して、Digg(ディグ)から偽情報が流出し、ケビン・ローズをも巻き込んだ事件がその典型的な例として挙げられる。これはiフォンが発売される数ヶ月も前のことであった。
iフォンの開発が始まった時期を特定することは誰にもできない。しかし、アップルのアステロイド・プロジェクトにより、アップルの戦略を台無しにするのが誰なのかは特定された。アステロイドはファイヤワイヤを利用したアナログのオーディオあるいはブレイクアウトボックスであり、販売価格は129ドルとされていた。しかしApple Insider(アップル・インサイダー)等のアップルの噂を提供するサイトがこのリリースもされていない機器に対して記事を掲載し、アップルの逆鱗に触れた。
アップルのスタッフが情報をリークし、それに引っかかってしまったのだ。アップルは2つのグループを作ったはずだ。1つのグループは情報をリークしそうな人達に誤った情報を与えて、引っかかった人を排除する仕事に精を出し、もう1つのグループはiフォンプロジェクト自体を進めていたのだろう。
憶測
2006年、ブロゴスフィアでは第6世代iPod(iポッド)、ワイドスクリーンiポッド、タッチスクリーンiポッドの噂で溢れかえっていた。iフォンの置かれていた状況と非常に似ている。しかしiポッド製品のニュースが次々に更新され、インターネットを圧巻していた一方、iフォンに関連するニュースは今年に入ってようやく定着しだした。
私達はアップルが数々の噂を検証し、iフォンをリリースするのだと高を括っていた。何を隠そう私もその一人であった。スライド式のキーボードや統合型のキーボード等、想像に任せて様々な憶測が飛び交っていた。
しかし昨年、深刻なデマ情報が漏洩した。ディグのホスト、ケビン・ローズがiフォンはOS Xの小型バージョンを利用し、デュアルバッテリー、スライド式キーボード、タッチスクリーンが備わっていると報告したのだ。動画のリンクはここ。
ここで重要なのは、ケビンやディグユーザーのiフォンへの理解力を探り出し、抑止する目的でアップル自身がこの誤った情報を流した可能性が高いということだ。
もうすぐ100万台
この記事を読み終わるころには、先週金曜日に発売したiフォンの販売台数は100万台を越えているだろう。これは携帯電話市場の1%(または1,000万人)をiフォンユーザーにするという2008年度の彼らの目標が10%達成されたことになる。販売開始からたった数日間でこれほど多くのiフォンが売れていくのを目の当たりにすると、この目標が控えめに思えてしまう。
正直に言って、ごく普通の人達や親の世代の人達も大勢iフォンを買っているのには驚いた。アップルの評判は思っていたより相当高く、また、私を含め、多くのブロガーが至るところでiフォンを褒めちぎっている。
今回の騒動から、オーディエンスが自分の広告塔、そしてマーケティングマシンとなり、慎重に活用すれば、非常に役に立つことが証明された。大量に売ることも大事だが、同時に秘密を守ることも欠かせない成功要素の一つだということをアップルは教えてくれたのだ。
ライター紹介: タナー・ゴダルジはApple Matters(アップル・マターズ)、iPhone Matters(iフォンマターズ)、そして自らのサイト、Tech Blot(テク・ブロット)でブログを書いている。ブログヘラルドには毎週日曜日記事を投稿してくれる。タナーへの連絡はメールで。
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