伝統的な新聞の場合、間違いがあると、その翌日、新聞内の小さな訂正欄に小さな活字で訂正される。大勢のブロガーは「アップデート」というしきたりを採用しているが、これは印刷媒体の出版業界がとるアプローチと似たり寄ったりだ。アップデートは通常、元記事における訂正等の最新情報を記載するもので、記事の最後尾に加えられる。しかし元記事は通常、タイトルも含めてそのままである。
恒久的、そして見つけるのが簡単な、あらゆる誤った記録を作り出す検索エンジンが原動力になっているオンラインの世界で間違いを正す際に、アップデートを用いれば十分と言い切れるのだろうか?
今週、TechCrunch(テッククランチ)のマイケル・アーリントンは「Federated Media、さらに資金を集めて売却か」というタイトルの記事を投稿した。この記事は独自のリサーチレポートからの情報を列挙し、またFederated Media(フェデレイティド・メディア)の最高業務責任者、ジェイソン・ワイズバーガーの次のコメントを引用したものだ。
もしフェデレイティド・メディアが我々の予想通りのパフォーマンスをこのまま継続してくれるなら、この業界を理解しているメディアプレイヤーが我々を買収するには、遠い将来ではなく、今がもってこいの時期であろう。
この記事には次のメッセージが記載されていた。「また同社は買収についても考えており、300~800万ドルもの新たな資金調達を期待しているようだ。」
この記事はTechMeme(テクミーム)でも特集され、多くのテッククランチの記事が人気を集めるように、この記事も多くの注目を集めた。しかし、その後、フェデレイティド・メディアの設立者、ジョン・バッテルはFM blog(FM ブログ)に次のような記事を投稿した。
今夜テッククランチに投稿されていた記事は、フェデレイティド・メディア(FM)に関する多数の詳細や噂されている計画についての独自リサーチを取り上げているものだ。しかし当該記事のタイトルとは裏腹に、FMを売却する意思もないし、資金調達が必要になっているわけでもない。どんなスタートアップ企業にも価値があるが、我々の価値を得るには考えなければならないことがある。これは、FMを買おうとする者はまず我々のビジネスモデルに目を向け、配信者との付き合いという、最も大切な資産を管理したいかどうか決めなければならないというものだ。FMはビジネスを売ることや、資金調達(今のところ必要ない)に力を入れているわけではないことをハッキリさせておこう。我々が力を入れているのは、配信者のビジネスに価値を加えること、それに尽きる。
マイク・アーリントンは以下の「アップデート」を元記事に加えた。
アップデート: ジョン・バッテルと話をしたところによると、このインタビューは参考資料程度の位置付けであり、近いうちに会社を売るつもりはないという。また、現在のところ積極的な資金調達も行っていないとのこと。
こういうアップデートは通常、オンラインコミュニティでは十分だとされている。しかし、本当にこれで十分だろうか?各種サイトの記事の間違いが訂正されていない事実とは矛盾するが、この質問を投げかけてみた。
もしグーグルで、「フェデレイティド・メディア売却」を検索すると、以下のような結果が表示される。

テッククランチの記事をクリックし、折りたたみ部分が見えない(少なくとも私のノートPCでは)と仮定すると、表示されるスクリーンショットは以下のようになる。

2007年3月8日のテクミームに戻って記事を読むと、次のような画面が表示される。

私がここで言いたいのは、「アップデート」を採用しても、間違いはウェブ上に残ってしまうことがあるということだ。当然ながら、フェデレイティド・メディアが本当に売却するのかどうかを探るためにそれ相応の努力をすると、ジョン・バッテルのコメントが載った記事を簡単に見つけ、テッククランチの記事が間違えていたことが分かる。しかし、ウェブは訂正後よりも、訂正前を際立たせてしまうのだ。
つまり、アーリントンはもっと対策を講じるべきだろうか?記事のタイトルを変更するべきだろうか?アップデートを記事のトップに移動するべきだろうか?もしフェデレイティド・メディアが本当に売りに出され、その情報が公開された直後にバッテルが否定したとしたらどうだろうか?当然ながら元記事は同社の経営陣のメッセージを基にした情報であったため、より確実な情報と受け取られた可能性がある。しかしアーリントンが、バッテルが否定したことを報告しておけばそれで支障はなく、大きく訂正する必要はないと思っていたらどうだろうか?
厄介な問題が山積みだ。私は答えが分かると主張するつもりはない。ブロガーは、どこかで、何らかの記事をオンラインに投稿する人たちと同様に、認識しているかどうかは別として、自分たちもオンラインの配信者だということを自覚する必要がある。そして配信の方法が何であれ、責任と義務を軽んじてはいけない。私が言えるのはそれぐらいだ。
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