これから疑いモードに入るから少し待ってもらいたい。
PR業界の関係者ならクライアントのメッセージを適切なオーディエンスに届ける苦労が分かるはずだ。マスメディアにおいて、クライアントやストーリーによっては、他のメディアよりも楽なときもあるが、基本的にマスメディアはクライアントの新製品のことを真剣に取り扱ってくれない。
しばらくの間、ストーリーの売り込み先を主流メディアへのストーリーからブロゴスフィアに切り替えてみる。これは素晴らしい発想だ。ブロゴスフィアでは数百万の人々が、目立たないトピックや、有名なトピック、知名度の低いトピックについて綴っている。自分のクライアントがメッセージを届けようとしているオーディエンスを構成している人の中には、クライアントの製品に関連するブログを呼んでいる人がいる可能性が高い。もしクライアントがアイスクリームを販売しているなら、世界のアイスクリームに関するブログを読んでいるアイスクリーム愛好者にメッセージを届けることをクライアントが狙っていれば期待できる。ブロガーは対象に積極的に参加し、多くの友人に話す。そして対象に非常に強い愛着を持つため、自分たちでイメージを想像するようになる。彼らは歩く広告塔のような存在なので、クライアントはこういうタイプの人々を好む傾向にある。
つまり影響力は左手にあり、主流メディアは右手にある。断定することはできないが、我々がキャンペーンを計画する際に自分自身に問わなければいけないのは、現段階でどちらが大事なのか、ということだ。主流メディアでの大きな露出を取るか、それともブロゴスフィア内での大きな露出を取るかのどちらかだ。オーディエンスのタイプが異なるのは確かだが、PR業界が優先するのはどちらのタイプだろうか?またクライアントが君に判断を委ねたら、どちらのメディアを取るのだろうか?
ソーシャルメディアを仕事にしている現段階では、私が判断するには1秒もかからないだろう。ブロゴスフィアで今日、明日、明後日、人気のある大きなニュースメディアを知りたい。どちらにも欠点はあるが、今日のブロゴスフィアの欠点は主流メディアの欠点を遥かに凌ぐ。世界のニュース組織には真実、データ、証拠、コピー、予算、報酬、専門家を有しており、そして最も大切な信頼が寄せられている。ダン・ラザーが何度しくじろうが、私はブロゴスフィアで常に彼のレポートに賭けている。ブロゴスフィアには何があるだろう?意見、バーチャル的な情報、リンクベイト、友達リスト、スパムそして主流メディアのネタを自分のモノにする権利。
ブロガーはジャーナリストよりも早くストーリーを外に出すだろうか?当然だ。ジャーナリストは過ちを犯すことがあるか?当然だ。誰もが主流メディアを信頼しているか?そんなことはない。しかし、大部分において、ジャーナリストはニュースを報告し(それ故、作ることにもなるのだが)、それを正しく理解し、多くの人々から信頼を寄せている。このプロセスが一晩で変わることはない。大昔から続いてきたことだ。
誤解しないで欲しい。我々は影響力のある人物や流行を作る人物、そして所謂「カッコイイ」人たちを見つけたいと今でも思っている。しかしどこで彼らを見つければいいのか分かっているのだろうか?影響力のあるアイスクリーム愛好家はアイスクリームのブログを読むだろうと言っても支障はきたさないのだろうか?私は、我々はソーシャルメディアの現在地を基にして、慌てて結果を出そうとしているのではないかと思う。ある分野や業界の人が皆知っている場所が幾つかあると言えば問題はないだろう。しかし、あるトピックに興味をもった人が必ずブロゴスフィアのそのトピックに関するブログを読んでいると大胆に言い切ってしまうのは責任感に欠ける。
それでは疑いモードから、スーパー疑いモードに切り替えよう。我々は本当にこのやり方が上手くいくと確信しているのだろうか?我々は本当にクライアントの「ニュース」をジャーナリストに預けるという方法をソーシャルメディア経由に切り変えていくのだろうか?ストーリーの売り込み先を変えるのだろうか?プレスリリースを完全に廃止するのだろうか?それとも微調整程度にとどめるのだろうか?この騒動はどこに向かっているのだろうか?当然ながら、現時点では答えよりも疑問が多くなってしまう。私はソーシャルメディアを取り囲むこの騒動は手がつけられなくなるのではないかと思う。
いつも予想の対象はソーシャルメディアだ。よく考えてみよう。タイム誌では「あなた」がパーソン・オブ・ザ・イヤーが選ばれている。これは素晴らしい。しかしこのような名声を得るためにあなたは実際に何を行ったのだろうか?もし写真をオンラインにアップしたなら自分を褒めてあげよう。もしその写真をタグ付けしていたらボーナスポイント贈呈だ。すごいね。
2007年の「イヤー・オブ・…?」は何になるのだろうか?2007年は、PRがとうとうソーシャルメディアをクライアントに受け入れさせることができるのだろうか?我々の多くはそう思っている。なぜなら2007年は我々が期待している年であり、もし叶わなかったら、「2007年:PRが愚かに見えた年」なんて言われかねない。会議、会合、ギークディナー、メールグループ、これは一体何のために行われているのだろうか?ネットワーク形成のため?私は最高点に近づいているときのドットコム・バブルがどんな感じか知らない。 しかし、PR関係者がソーシャルメディアに期待し始めてからもうすぐ1年になるが、今のところ真価を発揮しているとは言えない。
まるで来るか来ないか分からない電車を待っているような気分だ。集団が出来て、魔法の電車がどこに連れて行ってくれるのか考えて、いてもたってもいられない心境だ。心配も最高潮に達してきた。そして我々は待つ。ただただ待つのだ。プラットフォームが混んできた。そして長時間待っていたのでおなかがすいてきた。食堂室が付いていたらいいなと我々は思う。そして待ち続けるのだ。
このカッコイイ電車が来るのかどうか知っている人はいないだろうか?もし本当に来ると思うなら、遅れているとでも言うのだろうか?
[クリス・クラークはカナダのトロントに本社を置くThornley Fallis Communications(ソーンレイ・ファリス・コミュニケーションズ)に勤務している。またPRとソーシャルメディアに関するブログ、Student PR(スチューデントPR)でブログを書いている。]
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